小池百合子・希望の党代表は「細川護熙」になれるかPhoto by Takahisa Suzuki

 安倍晋三首相が、臨時国会冒頭で衆議院を解散することを決断した。今年の春以降、それまで高支持率を維持し、「安倍一強」と呼ばれる長期政権を築いてきた安倍政権が突如支持率下落に直面し、政権維持の「危険水域」とされる20%台が迫ったことで、メディアや識者は、にわかに安倍政権の「危機」を煽り立てていた。

 だが、8月3日の内閣改造で支持率低下に歯止めがかかった(本連載2017.8.4付)。現在、支持率は40%台まで回復しつつある。一方、民進党からは次から次へと離党者が出ており、「日本ファーストの会」はまだ体制が整わない。安倍首相は「今が解散のチャンス」と判断したのだろう。

安倍首相の支持率低下が止まる
やはり圧倒的な「権力リソース」は侮れない

 安倍政権の支持率回復は、安倍政権が国政選挙4連勝で築き上げてきた、「安倍一強」と呼ばれる権力リソースの圧倒的な威力を示している(2017.7.18付)。圧倒的「権力リソース」とは、端的にいえば、首相が悲願とする「憲法改正」を可能とする「改憲勢力」が、衆参両院で3分の2を占める圧倒的な多数派を形成していることだ。

 一方、「安倍一強」は野党を「戦後最弱」というべき状況に追い込んだともいえる。「改憲勢力が3分の2を占めることを阻止する」という、戦後日本の「革新勢力」にとって死守すべき最低ラインが崩れたしまったのだ(2016.7.19付)。

 野党はバラバラで、混乱が続いている。野党に対する国民の期待は薄く、次第に安倍政権の支持率は戻り始めた。要するに、かつて「ねじれ国会」で、政権交代を期待された野党に追い込まれた数々の「短命政権」と、安倍政権は全く違うということだ。