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 人類の歴史の中では、時にそれまでの潮流を大きく変えるような「非連続な事象」が発生することがある。9月18日に発生した、米国トイザラスの経営破たんもその一つに入るかもしれない。

 米国玩具販売大手の“トイザラス”は、IT化投資などを軸に進めてきた自力での経営再建を諦め、“連邦破産法11条=チャプターイレブン”(わが国の民事再生法に相当)の適用を申請した。

 この背景には、同社が、時代の最先端を走るネット企業であるアマゾンとの競争に対応できなかったことがある。この問題は、米国の小売業界をはじめ、その他多くのビジネスにも当てはまる。アマゾンをはじめとするネット企業の成長は、世界中の企業にとって大きなチャンスでもあり、脅威でもある。それは、わが国企業にとっても対岸の火事ではない。

 トイザラスについて、経営陣が事業の改善を実現できなかったことへの批判などさまざまな意見がある。ただ、このまま同社が経営を続けた場合、更なる低価格競争に巻き込まれ、より厳しい状況に直面する可能性は高かっただろう。ある意味、今回の決定は抜本的な改革の下、再出発を進めるためには不可欠だったかもしれない。

 トイザラスの破綻から得られる教訓は、「過去の延長線」として将来の競争環境を考えることはできないということだ。“非連続”というべき状況変化が加速する中、企業経営者の意思決定が企業の将来を大きく左右するだろう。

消費者の行動変化に
対応できなかったトイザラス

 トイザラスがチャプターイレブンの申請に追い込まれた理由は、消費者の行動の変化に対応できず、顧客離れが進んだ点が大きかった。小売業の多くの企業では顧客の流出に直面した場合、販売価格を引き下げるなどして客足をつなぎとめようとする。