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「楽天トラベルvsじゃらんnet」、
「ぐるなびvs食べログ」にみる
ネットPFサービスの追い上げ、逆転の戦略
早稲田大学ビジネススクール教授 根来龍之

根来龍之 [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長]
【第33回】 2011年10月11日
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ネットにおけるプラットフォームサービス

 自社製品・サービスだけではく、他プレイヤー(企業、消費者)が提供する製品・サービス・情報と一緒になって、初めて価値を持つ製品をプラットフォーム製品・サービス(以下、適宜「PF」と表記)という。仲介サービス、コミュニティサービス、ゲーム機、電子書籍などがその例である。

 前回は、なぜPFが一人勝ちになりやすいのかについて述べた。今回は、ネットPFサービスを対象に、この一人勝ちメカニズムに逆らって、後発ながら追い上げと逆転に成功した企業の戦略について詳しく見てみよう。

楽天トラベルvsじゃらんnet

 日本における最初の宿泊予約サイトは、日立造船コンピュータ株式会社(当時)が1996年1月に開設した「ホテルの窓口」(のちに楽天トラベルと統合)だとされる。

 その後、宿泊予約サイトは、ネット専業企業だけでなく、既存の旅行代理店やキャリア(航空や鉄道)事業者などの参入を経て、激しい競争市場となったが、先発した楽天トラベルがもっとも順調に利用者を増やしていった。

 株式会社リクルートが運営する「じゃらんnet」(当時「イサイズじゃらん」)がサービスを開始したのは2000年11月で、「ホテルの窓口」の開設から約5年後であった。じゃらんnetは、サイト開設直後の数年間は利用者が伸び悩んでいたが、2003年頃に利用者が急伸し、楽天トラベルとのシェア格差を解消し、以後、現在に至るまで両者の拮抗状態が続いている。

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根来 龍之(ねごろ たつゆき) [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長]

京都大学卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了、鉄鋼会社、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て現職。京経営情報学会会長、国際CIO学会誌編集長、CRM協議会副理事などを歴任。2001年度より早稲田大学教授。2010年10月より早稲田大学ビジネススクール・ディレクター。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。『代替品の戦略』(東洋経済新報社)、『デジタル時代の経営戦略』(共編著、メディアセレクト)、『CIOのための情報・経営戦略』(共編著、中央経済社)など著書多数。ブログ「ITと経営」

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好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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