対向車線をまたいで店舗に向かうとき、女性ドライバーには右折を苦手とする人が少なくない。このような場合はゼブラゾーンを上手く活用するのがポイント

要約者レビュー

 立地戦略――それはビジネスモデルと緊密に関わり合い、ビジネスの成否を分けるほど重要な要素だ。成功すれば売上倍増だが、失敗すれば経営破たんという事態にもなりかねない。ところが、ビジネススクールですら、立地戦略にスポットライトが当たることはほとんどない。大手チェーンの店舗開発担当でもなければ、「立地」という側面から経営を考える機会などまずないはずだ。

 だが、立地戦略はいたるところで行なわれている。たとえばオフィス街の近くにある、飲食店の立ち並ぶエリアに注目してみてほしい。そこに、店が頻繁に入れ替わり、定着しない区画はないだろうか。一方で、狭い階段を地下に降りた場所にある、狭くてお世辞にもきれいとは言えない店内のステーキハウスが、意外と長く続いていたりする。こうした違いは、ビジネスモデルに適した立地で商売をしているかどうかによって決まっているのである。

 最近では、証券会社や保険会社などの金融業界までもが、真剣に立地を考えるようになっているようだ。「お客様に来てもらう」商売をするうえでは、やはり立地が重要な要素になるということなのだろう。昨今ではサービスの質が全般的に向上し、昔ほど差別化が容易ではなくなった。「立地戦略のセオリーを知っているかどうかが経営の明暗を分ける」という著者の主張には大いに納得させられる。

 読み物としても大変興味深い内容だが、すでにビジネスをしている人やこれから起業する人に、ぜひ読んでみていただきたい一冊だ。(立花 彩)

本書の要点

(1) ロードサイドの店舗では、車で来店するお客様の人間心理までもが立地の決め手となる。
(2)どこにでもあるコンビニや飲食チェーン店は、わざわざその店舗に行くというより、利便性の高い場所にたまたまあったという理由で行くことが多い。このような業態では立地の良し悪しが集客力に直結する。
(3)ユニクロやドン・キホーテなどの「顧客誘導施設」や固定客を持った美容院は、そこに行くことが目的となるため、立地にこだわらなくても経営は成り立つ。
(4)東京は一都三県から人が集まる特殊な街なので、東京と地方ではセオリーがまったく異なる。