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吉田恒のデータが語る為替の法則

「ドル安一段落=円高一段落」ではない!
円高続行と考える2つのシナリオとは?

吉田 恒
【第57回】 2009年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー

 先週、12月第1週(11月30日~12月4日)の米ドル/円は、米国の雇用統計発表などをきっかけとして、85円近辺から90円台へと、大きく米ドル高・円安が進む展開になりました。

 これで、ここ数ヵ月間続いてきた米ドル安は、一段落した可能性がさらに高くなったと思います。ただ、「米ドル安一段落=円高一段落」なのかと問われると、それは微妙ではないかと思っています。

 11月末に一気に85円割れとなった米ドル/円ですが、その後90円台をつけているように、米ドル安・円高はいったん止まったようです。これは前回のレポートに書いたとおり、予想どおりの展開です(「『円高クライマックス』でドル/円が80円に!?年内最後、“FOMC大波乱”はあるか?」を参照)。

 しかし、90円を超えるほどの円安・米ドル高は、私の予想を超える動きでした。

ユーロ/米ドル 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 ただ、だからと言って、私の予想全体が大きく変わるものではありません。

 私は、目先、米ドル安主導の円高には限界があって、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)主導の円高に移ることで、円高第2波がやって来ると考えてきました(「ファンドの期末要因リスクが潜む11月相場。高金利通貨と金相場に急落の「死角」が…」を参照)。

 そういった基本的な考え方にも、変化はありません。

米ドル安はすでに、
11月に終わっていた!?

 そもそも、3月から、そして、ひと休みを経て6月から続いてきた米ドル安をリードしてきたのは、対円ではなく、対ユーロでした。

 その米ドル安・ユーロ高が、11月になって転換しつつあるとの見方は、これまでに説明してきたとおりです(「上昇続く金相場の『はしご』が外された時、2009年最後の円高・米ドル安が始まる!」を参照)。

ユーロ/米ドル 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 ユーロには、一度上がり始めると「押し目」も作らず上がり続け、しかし、それが一段落すると、長い横ばいに移るという傾向があります(「ユーロの上昇相場は保ち合いに移行へ。ならば、米ドル/円もこのあたりで転換か?」を参照)。

 1.5ドル近辺でもみ合いが続く足元のユーロ/米ドルですが、これまで続いてきたユーロ高・米ドル安は、11月途中から横ばいに移行したと考えています。

 つまり、ユーロの高値保ち合い、米ドルの安値保ち合いにシフトしたと私は思っています。

 そのような、ユーロなどの通貨に対しての米ドル安トレンドの一段落が、12月4日(金)の米国雇用統計発表を受けた、米国債の金利上昇などによって、再確認できました。

 ただし、ここで重要なのは、「米ドル安一段落=円高一段落」なのかということです。

 私は、それは微妙ではないかと思っています。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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