多くの仕事で創造性が求められているが、優れたアイデアとはいつでも湧き出てくるようなものではない。しかし、それを生み出しやすい環境を意識してつくることはできる。その方法の1つが、マインドフルネス瞑想である。筆者らの研究によれば、わずか10分程度の瞑想をすることで、創造性が飛躍的に高まることが判明した。


 ますます多くの職業で、クリエイティビティが求められるようになってきた。

 関係者全員の異なる優先順位を調整するとき。顧客が抱える問題の解決策を模索するとき。新製品ラインを起ち上げるとき。あなたに必要な答えは、おそらく教科書には書かれていない。とはいえ、毎日のようにすばらしいアイデアがポンポン生まれるわけではない。

 アイデアが尽きたとき、どうしているだろうか。どのようにして「魔法」を取り戻しているのだろうか?

 人気が高まっている方法の1つに、マインドフルネス瞑想がある。グーグルやゴールドマン・サックス、メドトロニックといった多数の大手企業が、瞑想をはじめとするマインドフルネス手法を従業員に推奨している。こうした企業のエグゼクティブたちは、瞑想について、ストレスを低減するツールとして有効であるばかりか、創造性を高める効果もある、と言う。瞑想は、壁しかないと思っていたところに扉を開けてくれるからだ。

 筆者のチームは、短時間の瞑想が創造性を高める効果について理解を深めるため、まず文献を調べ、続いて独自の実験を行った。その結果わかったことを紹介したい。