セブン-イレブン・ジャパンの独走はもう誰にも止められないのか――。セブン-イレブンはコンビニエンスストア業界での売上高シェア50%を目指す方針を打ち出した。17年2月期のセブンの業界シェアは42.7%。今後、約7ポイント高めて過半獲得を狙う。2番手につけるユニー・ファミリーマートホールディングスや3番手のローソンはもはや、独走を阻止する打ち手はないのが実情だ。しかし好調セブン-イレブンに本当に死角はないのだろうか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
シェア50%に向けて
まい進する
「コンビニ事業でシェア50%に向けてまい進する」――。セブン-イレブンの親会社であるセブン&アイ・ホールディングスの井坂隆一社長は今年4月の17年2月期の決算発表の席上、こう宣言した。
50%のシェアは、ファミリーマートとサークルKサンクスの経営統合のように、再編でもぎ取ることを目指すのではない。セブンは1店1店の日販を高めることで達成を目指していく格好だ。
セブンはいったいこの目標達成に向けてどういった戦略を打ち込んでくるのか。それはシニア層のさらなる取り込みと有職主婦の増加による中食需要の獲得といっていい。現在セブンは50歳以上の中高年と女性客が中心。たぶん、女性客のかなりの部分は有職主婦であろう。
17年2月現在では50歳以上のシニアの比率が40.0%、女性客の比率がすでに47.4%と、なっている。今から10年までの08年2月期の女性客比率は42.3%で、この比率はジワジワと上昇しているが急激ではない。