特定領域にやたら強い専門家や職人のような人材は、どの会社にもいるだろう。本人がそれを自覚し、さらなる「高み」を目指す場合ならともかく、本人がそれを意図せずに「縛られている」と考える場合は少々問題だ。まさに、あなたが「いまの職場や仕事に縛られている」と感じるのなら、どういう解決方法があるのだろう。異動希望を出すのが直接的な方法だが、その前にぜひ試していただきたいことがある。(アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)

かつて「コンサルは要らない」と言われた筆者
「自分の価値」をどのように見出すか

 北海道日本ハムファイターズの大谷翔平が来期のメジャーリーグ移籍の意思を固めたと伝えられている。160km/h以上の速球を投げ、打席に立てば決勝打を放つ傑物の米国への移籍は日本のファンにとっては寂しい限りだ。

 一方で、野茂、イチロー、松井などから連なる日本プロ野球界のスター選手のメジャーリーグでの活躍を見れば、大谷がメジャーに移籍したいと思う気持ちも理解できるし、先人たち同様に思う存分躍動してほしいと願うのもまたファン心理だろう。

 若手時代に、私はある顧客から「コンサルという職業は本来であれば要らない職業だ。自社に能力のある人材の余力があれば、わざわざ費用を払って外部に委託する必要はない」と言われて、ひどくショックを受けたことがある。

 コンサルを取り巻く環境も当時とはずいぶん変わってきているし、実際に手足を動かして顧客に価値提供をするために奮闘することがコンサルの日常でもあるので、「不要だ」と言われるのはさすがに事実とは異なると思うものの、ある一面においては先の顧客のコメントも納得できるものではある。

 私の心の整理がついたのは、「コンサルはサービス業だ」と割り切ったからである。多くの人にとって、スポーツ選手は生きるために必要なわけではないが、「入場料を払ってもスタジアムに見に行きたい」と思わせる魅力を彼らは持っている。