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東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

文京区――大岡越前守の治安政策が根付く、23区でピカイチの「防犯優等生」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第14回】 2011年10月26日
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 「本郷も かねやすまでは 江戸の内」

 江戸屈指の小間物屋といわれた「かねやす」は、今も本郷3丁目の交差点角に店を構える。

 享保の大火の後、時の町奉行だった大岡越前守は、本郷から江戸城にかけての建物を、耐火性に優れた塗屋・土蔵造り、瓦ぶきにするよう命じる。ちょうどこの境目にあったのが「かねやす」。その南と北で、街並みは一変したという。有名なこの古川柳、実は江戸の防災対策を詠んだものだったのだ。

大岡越前守の治安対策を受け継ぐ文京区?
23区中ではピカイチとなる「防犯の優等生」

 町奉行は、都知事と警視総監を兼ねたような仕事。防災と並び、街の治安に頭を悩ませたことは、江戸も東京も変わりがない。現在でも、盛り場を抱える新宿区、台東区、豊島区などでは、犯罪対策が区の重要課題となっている。これらの各区に囲まれた位置にありながら、文京区は東京一の防犯優等生である。

 文京区の犯罪発生件数(刑法犯認知件数)は、23区中最少。犯罪発生数が2番目に少ない目黒区と比べて約4分の3程度と、ピカイチの低さだ。

 昼間人口当たりの犯罪発生数は、千代田、中央の両区に次いで21位。夜間人口当たりになると、これら両区は途端に数が多くなるが、文京区は夜間人口当たりの犯罪発生数も目黒区に次いで少ない。昼間人口当たり、夜間人口当たりが共に少ない方からベスト3に入っているのは、文京区だけである。

 ところで、東京は犯罪が多いのか、少ないのか。昨今データが出揃った2010年の数値で、昼間人口1万人当たりの犯罪発生件数を調べてみよう。

 

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


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東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

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