医師の処方箋が必要な医療用医薬品(処方薬)から、処方箋不要のOTC(大衆薬)に転用された医薬品をスイッチOTCという。7月の国の「第2回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」(スイッチOTC検討会)では、医療用医薬品である緊急避妊薬のスイッチOTC化の妥当性が議論された。医師、薬剤師、消費者代表などで構成される委員からは「OTC化は妥当ではない」という意見が相次ぎ、スイッチOTCそのものにあらためて注目が集まっている。『週刊ダイヤモンド』10月21日号の第2特集「追い風は本物か 踊り場のOTC」の拡大版としてキーパーソンたちのインタビューを全4回でお届けする。最終回は、杉本雅史・日本OTC医薬品協会会長に聞く。(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)

――スイッチOTC検討会。まだ2回しか終わっていませんが、新スキームとしてどう評価しますか。

すぎもと・まさし/日本OTC医薬品協会会長。1961年生まれ、56歳。2009年から武田薬品工業ヘルスケア部門トップ。17年から武田コンシューマーヘルスケア社長。15年から日本OTC医薬品協会会長。Photo by Masato Kato

 まずはしっかり機能していただく。せっかくのスキーム。機能不全だとなんの意味か分からない。つまり、世に早くスイッチOTCを出していく。その後は拡充。四半期に1回とか2ヵ月に1回とか、定例化することを要望したい。

――スイッチ化の加速という場合は数なのでしょうか、あるいは新しい分野なのでしょうか。

 両方ですけど、やはり市場へのインパクトを考えますと、旧スキームでも出ていた抗アレルギー剤とかはあまりインパクトがない。新たなカテゴリーを。医師会の先生方の理解も得やすいであろうというところで考えているのは、自覚症状があるカテゴリー。いわゆる生活習慣病、高血圧とか脂質とかいうところは、血液検査とかしないと自覚症状としては分からない。そういうところについては専門医の判断が必要だろう。なかなか医師会の先生方のハードルも高いでしょう。

 これは実際に医師会の先生方も言及されていますが、実際に頭が痛いとか胸焼けがするとか症状があって、副作用がある程度出し尽くされていて安全性が確立されている、なおかつ先進諸国、海外で同類の製品がOTCになっている。そうすると対象製品の了解が得られやすいし、これはグローバルに見てもいいんじゃないかという理解を得られる。(検討会では)片頭痛、胸焼けといったところが候補成分に挙がっています。そういうスイッチで認められてこなかった成分でOKまで持っていければインパクトがあるかなと思いますけどね。