ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
日本人がグローバル資本主義で生き抜くための経済学入門
【第3回】 2011年10月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤沢数希

グローバリゼーションで貧乏人は得をする

1
nextpage

政治、文化、そして経済が世界規模で一体化していくグローバリゼーション。豊かな国に生まれたわれわれからすれば、賃金の低下や失業、格差拡大といった影響が気になるところです。実際、多くの先進国でグローバリゼーションに反対する運動が起きています。しかし、それは果たして「道義的に正しい」ことなのでしょうか?

グローバリゼーションと熱力学の第2法則

 世界はこの数十年の間に急速なグローバリゼーションを経験し、今もグローバリゼーションが加速しています。グローバリゼーションには光もあれば影もあります。多国籍企業の工場が建設され、職がもたらされ、生活水準が上昇している途上国の労働者や、商品を非常に安く買えるようになる先進国の消費者が光の部分であれば、日本を含む先進国の単純労働者の賃金低下や失業、格差の拡大が影の部分でしょう。

 このようにグローバリゼーションはさまざまな社会の変化を引き起こし、その是非が盛んに議論されていますが、最初にはっきりいっておきたいことは、いくらグローバリゼーションの影の部分を強調したり、いくら規制を強化しようとしたところで、このグローバリゼーションの流れは絶対に止められないということです。

 なぜならそれは熱力学の第2法則をやぶれといっているに等しいからです。そしてこれから説明するように、経済のグローバリゼーションでは影の部分より光の部分の方がはるかに大きいのです。

 熱力学の第2法則は誰もが体験している物理現象です。水槽をふたつくっつけて片方には90度の熱湯を入れて、もう片方には10度の冷水を入れてほうっておけば、熱が温度の高い方から低い方に移動して、やがて両方の水槽の温度が同じになります。

 しかしこの逆は絶対に起こらないというのが熱力学の第2法則です。つまり温度が50度のお湯をふたつの水槽に入れておいても、時間がたつと片方が90度になって、もう片方が10度になっているということは起こらないのです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


藤沢数希 (ふじさわ かずき)

欧米の研究機関にて、理論物理学の分野で博士号を取得。科学者として多数の学術論文を発表した。その後、外資系投資銀行に転身し、マーケットの定量分析、トレーディングなどに従事。 おもな著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(ダイヤモンド社)、『反原発の不都合な真実』(新潮社)がある。
主催するブログ「金融日記」は月間100万ページビュー 。 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
ツイッターのフォロワーは7万人を超える。 @kazu_fujisawa

まぐまぐ、夜間飛行、BLOGOS(ブロゴス)から配信される有料メールマガジン『週刊金融日記』は日本有数の購読者数。


日本人がグローバル資本主義で生き抜くための経済学入門

日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門
もう代案はありません

『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』で、投資とマネーの真実を身もふたもなく暴いてくれた藤沢数希が、世界経済の解説に挑戦した『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』。その読みどころを全5回(予定)の連載で紹介。 政府か市場か、などという陳腐な議論は世界ではとっくの昔に終わっているというのに、いまだに資本主義がどうのこうのという人たちの本に時間を割く必要はありません。日本人が世界で生き残るためには、何を学び、何をすべきか?外資系金融機関で活躍する著者が本当に役立つ経済学のエッセンスを教えます。

「日本人がグローバル資本主義で生き抜くための経済学入門」

⇒バックナンバー一覧