森信親・金融庁長官の肝いりで新設された「つみたてNISA」。10月から口座開設の受け付けが始まったが、販売会社の金融機関は慎重姿勢が根強い。早くも業界内に冷めた雰囲気も漂う中、足元では普及を阻みかねない三つの“壁”が浮上している。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)

「正直、おいしい商売ではないですからね……」。10月から口座開設の受け付けが始まった、積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」。ある中小証券会社は同制度の導入を決めながら、具体的な取扱商品の公表に至っていない。しかも、思わず漏らした“本音”に垣間見えるように、社内で準備を急ぐ指令は特に出ていないという。

 つみたてNISAは、「長期の積み立て投資」に基づく資産形成を普及させようと、金融庁の森信親長官の肝いりで創設された新制度。販売手数料ゼロ、かつ運用コストとなる信託報酬の低い投資信託が対象で、10月13日時点で114本の投信(指数連動型のインデックス型が100本、個別銘柄に選別投資するアクティブ型は14本)が適格とされている。

 実際に買い付けが始まるのは年明け以降だが、銀行・証券などの販売会社は10月前後から続々とつみたてNISAの導入を表明。中には現金プレゼントの口座開設キャンペーンを繰り広げるなど、積極的に売り出す販社もある。

 ところが、足元の販社の動向を見ると、早くもつみたてNISAの普及を阻みかねない三つの“壁”が浮き彫りになっている。