ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

アマゾン「第2本社」の莫大な経済効果に
全米の100都市が熱いラブコール

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第440回】 2017年10月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 アメリカでは、アマゾンの名前を聞かない日はないのではと思うほど、同社はあまねく生活の隅々にまで行き渡っている。だが、ここ最近話題にされているのは、オンラインではなくて物理的な存在としてアマゾンの威力を物語る出来事である。

 それは、アマゾンの第2本社構想である。

 アマゾンは、9月初頭全米に向けて「第2本社」を作る構想を明らかにした。現在シアトルに本社を構える同社は、この本社と同等の役割を担う第2本社を北米のどこかに作る計画という。各都市から提案書を受け付けると発表した後、カナダも含めた各都市が浮足立ったのだ。

 同社が発表した提案依頼書(RFP)は、アマゾンが応募都市に求める条件と、アマゾンの本社を擁することによって地元の都市へどれほどの経済効果があるのかを8ページにわたって説明している。

 条件は、100万人以上の人口を持つ都市地域で、高速道路や空港から近く、また公共交通手段にも簡単にアクセスできるという場所であること。そして、テクノロジー関連の人材がいつきたくなるような都市部あるいは郊外の環境で、ビジネス・フレンドリーで、不動産利用について「ビッグ、かつクリエイティブに」考えられるようなコミュニティであることという。

 この「ビッグ、かつクリエイティブに」が具体的に何を意味するのかは不明だが、チマチマとした規制なしに、かっこいい場所を用意せよということにも理解できる。

 さて、この構想に基づく応募の締め切りが、さる10月19日だった。伝えられるところによると、何と100都市以上が名乗りを上げたという。そこには、ボストン、シカゴ、ピッツバーグ、デトロイト、ダラス、フェニックス(アリゾナ州)、トゥーソン(同)、ニューワーク(ニュージャージー州)など。アマゾンは、これから各都市の提案を検討し、2018年のどこかの時点で発表を行う予定だ。

 求めている土地は、既存のビルでもこれから開発するという土地でもよいが、第2本社建設計画は3つのフェーズにわたって段階的に行われるようで、アマゾンは依然としてどんどん拡張する予定と見える。第1フェーズは2019年までに完成し、その延面積は50万平方フィート(4万6451平米)。2027年以降に最終フェーズが完了すれば、800万平方フィート(74万3224平米)が、アマゾンのオフィスとして使われているというもくろみだ。

1
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


ビジネスモデルの破壊者たち

シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

「ビジネスモデルの破壊者たち」

⇒バックナンバー一覧