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野村證券は買収されないだろうが、
証券界はビジネス・モデルの転換が必要だ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第205回】 2011年11月2日
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衝撃の特集号

 『週刊ダイヤモンド』の最新号(11月5日号)は、「野村争奪戦で幕が開く! 金融大波乱」という衝撃的な特集タイトルを掲げた。

 詳しくは本を手に取ってお読みいただきたいが、リーマンブラザーズの欧州部門を抱え込んだ重荷もあって、業績も株価も低迷する野村證券は、日本のメガバンク3行にとって垂涎の買収対象であり、銀行によって温度差はあるものの、買収について具体的な検討とシミュレーションが行なわれているという趣旨の記事が載っている。

 野村證券にとって「グローバル」は、見果てぬ夢であると同時に、分厚い壁であり続けている。かつても海外への投資事業で、当初儲かって後で大損という、あたかも「カモにされたギャンブラー」のような展開で苦境に陥ったことがあったが、今回も、金融危機におけるリーマンブラザーズの米国以外の部門を買収した大勝負が裏目に出た。

 筆者は、野村證券が、海外進出をするにあたって、外人ないしは現地のビジネススタイルに、いわば敬意を払いすぎて(あるいは、もともとコンプレックスを持っていて)失敗していると思う。

 もともと、情報の非対称性こそが収益の源で、属人的な側面が大きい投資銀行ビジネスで、すでにある証券会社やファンドを買収したり、有力な投資銀行プレイヤーに進出先での経営を任せたり、といった「資本で人間をコントロールする」、あえていえば「楽な方法」が機能するはずがない。

 証券ビジネスに関わっていながら、これが本当に上手く行くと思っているのでは、付ける薬がない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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