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まさにクライマックス!
プレーオフを盛り上げた東京ヤクルトの奮闘

相沢光一 [スポーツライター]
【第177回】 2011年11月8日
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目の前の一試合に全力を尽くす――
感動を呼んだ東京ヤクルトの戦い方

 東京ヤクルトが、ついに力尽きた。

 ご存じの通り、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージは中日がヤクルトを4勝2敗で下し、日本シリーズ挑戦権を得たが、ここまでのヤクルトの戦いぶりは感動ものだった。

 レギュラーシーズン終了時点のヤクルトは故障者続出のボロボロ状態。CSファーストステージも巨人に連敗して終りだろうというのが大方の予想だった。ところが、先発・中継ぎ・抑えという投手の役割分担を度外視し、その時投げられる最も良い投手を出して失点を最小限に抑え、攻撃陣の奮闘でリードしたら、投手総動員で逃げ切るという一戦必勝、明日なき戦いをして2勝1敗で勝ち残った。

 そんな試合をしていれば選手のダメージも大きい。中1日で始まるファイナルステージの相手、休養十分で1勝のアドバンテージが与えられた中日には、今度こそあっさり負けると誰もが思った。だが、ヤクルトは、ファーストステージの巨人戦と同様の明日なき戦いで2勝2敗のタイに持ち込み、中日を慌てさせたのである。

 この予想外の展開を生んだのは、負ければ終りの高校野球や社会人の都市対抗で見られるような采配を採ったヤクルト・小川監督と、それに必死で応えようとした選手たちの気持ちのこもったプレーがあったからだ。それが最近のプロ野球を見慣れた目には驚きだった。

 今のプロ野球は投手の登板間隔や投球数、役割分担、野手を含めた調整法などで合理性が追及されている。それがチームにとっても選手にとっても最良の方法であることは判る。だが、システマティックになり過ぎて、意外性のある試合展開が少なくなったし、選手もどこかクールで、プレーに気持ちが現れることもあまりなくなった。

 もちろんヤクルトもレギュラーシーズンでは、この合理性に則した戦い方をしてきた。CSでそれを変えたのは特殊事情があったからだ。

 プロ野球を熱心に見ているファンならご承知だろうが、この特殊事情を説明するために、今季のヤクルトの戦いぶりを振り返っておこう。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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