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“習近平思想”が
定着して歴史と化していく

 中国共産党の第19回大会が閉幕し、習近平第2次政権がスタートした。前回コラム(習近平演説が示唆する「外国企業・個人も共産党に忠誠を」)では習総書記が大会開幕日に行った報告を振り返りインプリケーションを抽出すべく試みた。その際に次のように記した。

 『習総書記が発したフレーズを眺める限り、その指導思想とは「新時代中国特色社会主義思想」であり、かつそれが行動指南として党章に書き加えられる政治的準備はすでに整っている状態だと解読することが可能であろう。』

 そして、習近平以外の政治局常務委員(当時)が各地方の代表分科会にて「習近平新時代中国特色社会主義思想」という文言を統一的に使用していた光景から「『新時代』の前に『習近平』の3文字が書き入れられる可能性すら含んでいる」と提起し、「権力がこれまで以上に習近平に集中し、かつそれが“制度化”される趨勢を意味している」と段階的に結論づけた。

 その後党章の正式な改正案が公表され、「習近平新時代中国特色社会主義思想」が党の行動指南として党章に書き入れられた。過去の指導思想の名称のなかで最も長い(中国語で毛沢東時代5文字、鄧小平時代5文字、江沢民時代8文字、胡錦濤時代5文字、習近平時代16文字)。この違和感を禁じ得ないほどの長さが、逆にその端的さを如実に主張しているように映る。

 要するに“習近平思想”なのだと。

 実際に、人々はそのうちこの長々しい指導思想を毎回、ことあるごとに読み上げるのに疲れ、次第に“習近平思想”の5文字が定着し、歴史と化していくに違いない。