例えば、大企業のコストダウンというのは、法律うんぬんの話ではない。だけど、(取引先の)中小企業は反撃できない。結果、大企業に課税したら(取引先の)中小にしわ寄せがいくよねという当たり前の話です。

―― 一方で左派、リベラルの立憲民主党は今回の衆院選で想定以上に躍進しました。

 森友、加計学園と続いて、安倍政権でいいとは思っていない人はたくさんいます。「イッパツお灸を据えたい」層はそれなりにいた。でも実際、立憲民主党が勝ったところで、変わるとは思えません。

――なぜ変わらないのでしょうか。

 民主から何から含めて変わらなかったですし、政治に関心をもって見ていた人なら、枝野(幸男・立憲民主党代表)が原発事故の直後に「ただちに影響なし」と言った人と知っています。さらにその後撤回したわけでもありません。その人を信用しろと言われても、そんなテンションにならない。エリートの遊びですよね。どっちがましかという話。どちらにも正義はないでしょ。

――リベラル勢力の衰退が叫ばれる中で、反安倍の世論。復活には何が必要か。提言はありますか。

 リベラル勢力が復活することは無理だと思います。要はリベラルとは、左派でも右派でもないということですし、労組とかそういう基盤なくやるんだというのが一つの筋になってますから。要は選挙とか、そういう場所以外においてストライキとかで強制しようという論理の筋道がない以上、彼らはじり貧になっている。復活の道はその先にはないと思います。

――そうなると今後、日本の二大政党制は成り立たないものなのでしょうか。右派とリベラルの対抗軸、自民と民主が戦ったような状況にはなり得ないと?

 あれは一時的にそういう状況になりましたが、じり貧になる過程の話だろう。他の国でもリベラルの衰退は起きていて、労働者の雇用とかということを掲げる自国第一主義を掲げる政党が大きな潮流を形成し始めています。構造は日本と同じ。労働組合が腐ってしまい、自分たちの支持基盤が……。LGBTとかももちろん大切だとは思いますが、自分たちと切り離された市民運動の領域、ある種エリートの領域に支持基盤を求めていく限り、具体的に生活が崩壊していくとか、そういう人たちが誰に頼って生きていくのでしょうか。そういうことを考えたら、やはり国家主義とか、そういうものが代替していく。今までの自民党は国家主義をあまり出しすぎないようにしていました。2000年の前までは。そのあたりを自民党が押していくようになってきたのがこの15年間くらいの歴史です。