真の「保守」「リベラル」の観点から見直す衆院選の争点

今回の衆議院選挙は、とにかく政策面での「争点」が見えにくい。さらに「保守」「リベラル」「しがらみ」といった言葉が乱用されて本質が見えにくい状況になっている。ここで改めて本来の「保守」「リベラル」とは何か。その上で、各党で掲げている政策面での課題について考えてみた。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)

「争点」が見えにくい
今回の衆院選挙

 消費税、北朝鮮問題、憲法改正……有権者にとっては唐突感の否めない今回の衆議院議員選挙、それ以上に有権者を悩ませているのは「争点」が見えにくいとうことだろう。

 そもそも何か解散すべき大きな課題があったけではなく、急に解散が決まり、しかも解散から選挙の公示まで時間的余裕がない中で、各党はそれぞれの都合で、それぞれの考えで政策を急揃えの突貫工事で立案し、有権者に提示したのであるから、無理もない。

 もっとも、普段から明確な哲学や思想を持って体系的に政策を立案・整理し、国民・有権者に示し、理解や賛同を得るための活動を地道に行ってきていれば、難なく「本来争点にすべきことは何か」、「どのような政策が望ましいのか」といったことは、提示できるはずだと思われる。

 さて、今回の選挙においてはそうした政策的な争点とともに有権者と候補者をともに振り回しているのが、「保守」「リベラル」「しがらみ」といった言葉である。

 特に、民進党の希望の党への合流を巡る一連の騒動を契機として、「寛容な保守政党」だの「リベラルの排除」だのといったように勝手気ままに使われるに至り、今回の選挙は「保守vsリベラル」の闘いといった話まで出てくる始末になった。