マネックス証券の社長に復帰し、親会社のマネックスグループと傘下証券の社長を兼任する体制を10月下旬に発表した創業者の松本大氏は、仮想通貨の売買サービスを「今年度中」にスタートさせる考えを明らかにした。合わせて、フィンテック分野の強化などに向け「第二の創業」を宣言した松本氏に、その真意を聞いた。(『週刊ダイヤモンド』編集部 竹田幸平)
──傘下証券の社長に復帰し、マネックスの「第二の創業」を宣言した理由を教えてください。
約20年前にインターネットが実用化され、情報を伝播・伝達する革命が起きたとき、株や投資信託などを含む、金融取引の在り方が変わるだろうとの大きな期待がありました。我々も新しい個人向けの金融サービスが提供・提案できないかと考え、1999年にマネックス証券を創業しました。
それから18年たった現在、(取引データを記録する分散型台帳の)ブロックチェーンというものが出てきました。ネットが「情報伝達の革命」だとすれば、ブロックチェーンはいわば「登録や管理の革命」で、ネット同様、金融取引に大きな影響を与えると見られています。そうしたブロックチェーンに限らず、フィンテックと呼ばれる新しい技術を活用し、創業時と同じように自分らが主役となって色々なサービスを作りたいと思うに至りました。