2010年、楽天の「社内公用語の英語化」宣言は社会に大きな衝撃を与えた。導入から7年、現場で英語はどのように浸透し、会社はどう変わったか。社内公用語英語化のリーデイングカンパニーの取り組みと現状を、好評発売中の「AERA English 2017 Autumn & Winter」(朝日新聞出版)よりお届けする。
“We have almost a hundred voices of customers.”
“How did you collect them?”
東京・二子玉川にある楽天本社の会議室では、提供を開始して間もない新アプリのサービスについて、日本人とアメリカ人が英語で話し合っていた。エントランスや廊下でも、英語で話す社員たちの声が響く。
現在、楽天(単体)には世界70以上の国や地域から社員が集まり、全社員約6千人における外国籍比率は2割強。5人に1人は外国籍ということになる。実際、日本人だけの会議はほとんどなく、必然的に英語を使う環境になっているそうだ。
メールも社員同士は英語が基本。アルバイトや派遣社員にメールを送る際は日本語でサポートするものの、社内のコミュニケーションには原則、英語が使用される。
三木谷浩史代表取締役会長兼社長が2年間で社内公用語を英語にする方針を明らかにした7年前、英語化推進プロジェクトリーダーに抜擢された葛城崇さんが当時を振り返る。