いま、遺言や相続で悩まれている方が増えています。人それぞれ、いろいろな問題を抱えていますが、遺言があった場合となかった場合では、どう違うのでしょうか。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、遺言のポイントを聞く。

終活をするなら遺言を残そう!
遺言を書くことは生きること

 昨今話題の終活ですが、なにか準備をされますか? もちろん、まだ早いと思われる方が大半でしょう。でも、終活の一歩手前、プレ終活的な準備は思い立ったときにやっておいたほうがよいでしょう。

 一般的に終活とは、身の回りに溢れる品々の断捨離を行うことや、遺影準備としてのポートレート写真撮影、自らの希望する葬儀形式の予約、お墓の準備や整理などであると言われます。一番身近なのは、それらの事柄をエンディングノートに記載することかもしれません。

 でも、今回、お勧めしたいのは、遺言の作成です。

「遺言」と言われると、「遺言を書くなんて縁起でもない」と思うでしょうか。それとも、「そうだね、いつかは準備しなければ」と思うでしょうか。

 私は、「遺言を書くことは前向きに生きること」だと思います。人の命は有限で、誰もが必ず死を迎えます。だからこそ、精いっぱい今を生きるわけで、それは素晴らしいことです。しかし、さらに一歩踏み込んで、自分の人生と向き合う機会を持つことは、日常生活ではほとんどないのではないでしょうか。そうした体験ができるのが、実は遺言なのです。

 遺言は主に後世への資産配分について書くもので、作成したあとにはじめて意味をなすものと思われていますが、本当に素晴らしい効用はその作成過程にあります。自分の人生を棚卸しする中で、「死んでしまった自分から、今の自分がどう見えるだろうか?」と否応なく考えることになり、これまでの人生を深く理解することができるようになります。

 それはとりもなおさず、「これからの人生をいかに生きるか?」を深く見つめ直すきっかけにもなるのです。