同じことは衣類でもありました。2年前、「インナーダウン」という言葉がでてきました。いよいよ、アウトドアみたいに、みんな、ダウンを効率よく着るように変化してきたのかな!と、喜んだのもつかの間、こんな事例を数多く電車で見てしまいました。

 重たい背広の下にダウン着てるし……。そこには羽がつぶされ、ちっとも空気層ができていないインナーダウンがあったのでした。

 何が違っていたかというと、インナーであることが大事なのではなくて、ダウンをインナーにすることで、体温を伝えて動かない空気という断熱層を作りだすことが大事だったのです。なのに、インナーにすればいいとだけ覚えた方が失敗した例でした。

ダウンの縫い目は水に弱いものも。
雪の日は要注意。絶対濡らしちゃダメ!

普段は暖かいダウン。でも雪の日にダウンを着ると……(出典:Photo AC)

 失敗例はまだあります。ダウンはまだまだ理解されていないのかなあと思います。

 レインウェアの記事で、最近、災害現場でのニュースキャスターは全員、アウトドアのレインウェア(透湿防水素材)を着ていることを書きました。でも、大雪の現場ではまだ間違っています。

 雪でもダウンを一番上に着ている方、多いです。寒いといえば、ダウンって感じなんでしょうかね。

 ダウンは、水に濡れると羽をしぼめてしまいます。空気を蓄えられません。こんな時、ダウンをつつむ素材が、透湿防水素材なら濡れません。撥水性能があるものも増えましたが、ダウンが偏らないよう小分けされた縫い目から水が染み込みやすいので、完璧ではありません。そして撥水性能は落ちやすいものでもあります。山では命に関わるので、ダウンは絶対に濡らしてはならないものです。大雪の現場であるなら、濡れないためにダウンは一番外に着る服ではないほうがよいでしょう。

 大雪の中継で、「ダウンを着ていますが、寒いです」とお話しされていることが結構あるのですが、「それはダウンで濡れて水が染みているから寒いのでは……」とつっこみたくなる場面はいまだに多いです。

 ところで、北海道や海外のパウダースノーの場合、撥水性能があればコロコロっと落ちていく感じなので、縫い目から染みてこなければしばらくは大丈夫です。でも、水分を含んだ本州の雪ですと、すぐ染みてきます。雪質によっても判断を変えていただければと思います。