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慢性便秘にロダンの「考える人」ポーズが効果、米研究

井手ゆきえ [医学ライター]
【第368回】

 高齢者の増加を背景に、今や慢性的な便秘に悩んでいる人は1000万人を超えるらしい。

 本邦初の「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘「症」とは「排便回数の減少による腹痛、おなかの張り、硬便による排便困難、過度の怒責──いきむこと、便排出障害で軟便でもなかなか出ない、残便感でトイレに何度も行く」などの自覚症状があり、検査や治療を必要とするもの、と定義される。

 「病的」な便秘と普通の便秘との違いが今一つはっきりしないが、セルフケアを試みても半年以上自覚症状が続くようなら、病院を受診したほうがいいだろう。

 そのセルフケアの一つとしてぜひ取り入れてほしいのが、排便姿勢の改善だ。理想のうんこスタイルは「考える人」である。米クリーブランドクリニックで、「排便造影検査」を受ける人を対象に、いきむ姿勢を検討した成果だ。

 排便造影検査は、直腸からバリウムと小麦粉を混ぜた「疑似便」を入れ、排せつの様をレントゲン撮影するもの。ひどい便秘の原因を調べる際に行われる。

 検査中、「普通の姿勢」で排便できなかった22人(男性5人、女性17人、平均年齢56歳)に「考える人」スタイルで排便してもらい、「普通の姿勢」とで肛門と直腸の角度や恥骨筋の伸びを比較した。

 排便姿勢で一番大切なのは肛門-直腸角だ。直立状態での肛門-直腸角は、恥骨筋によって腸がおなか側に持ち上げられ、ほぼ90度を保っている。つまり便の通り道が出口直前で急カーブし、簡単には漏れない構造なのだ。

 一方、前傾姿勢をとると恥骨筋が背中側へ伸び、肛門-直腸角が120度以上に広がる。それで便がするっと通過できるわけだ。

 実際に本研究でも、通常の座位より「考える人」で肛門-直腸角が広がり(113度vs134度)、恥骨筋がしっかり伸びた。肝心の排便も、22人中11人が「すっきり」できたのである。

 つまるところ、和式トイレなら考えずともこの姿勢になるが、洋式では考える必要があるらしい。慢性便秘の方はご一考を。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 


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