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スマートフォンの理想と現実

119番中に異常終了、再起動――“電話”には決して許されない事態にスマホはどう取り組んでいくのか

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第12回】 2011年12月1日
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 「つながらない電話の、一体どこがインフラなんですか」

 これは私がいま取り組んでいる、東日本大震災の震災直後の通信・情報メディアの調査レポートの中で、被災者から直接投げかけられた言葉である。

 被災地では「一番通信が必要とされた」震災直後の数週間に、ケータイもネットもメディアも、まったく役に立たなかった。このことをもっと直視して掘り下げることが、通信・メディア産業の将来に資すると考え、震災直後から足繁く現地で調査を続けている。

 しかし、今日の連載は、震災の話ではない。福島第一原発の影は残るものの、表面上は普段通りの生活に戻っている、東京(というより日本全国)の、今日現在の話だ。

「つながらない電話」から「切れる電話」へ

 スマートフォンの普及が進んだ今年になって、とにかくあちこちの消費者から、スマートフォンに関する不満を耳にした。普及が進むということは、不慣れな未経験者にも広がるということ。不満をお持ちの方には申し訳ないが、過渡期的な問題かと思っていた。

 だが、それで片付く話だけでは、どうやらなさそうだ。たとえば「通話中に突然電話が切れる」という症状が、あちこちで耳にされる。すわソフトバンクモバイルのiPhoneの話かと思いきや、私の知人の場合は、通信事業者はNTTドコモ、端末はSamsung Galaxyという。相当メジャーな組み合わせである。

 確かに最近ではNTTドコモの回線も、都心部では朝夕のラッシュ時を中心に、かなりつながりにくくなっている。そんなわけで当初は、この連載でも何度か取り上げた、トラフィック需要の爆発に伴う需給ギャップの拡大や、それを供給側で引き起こす基地局の敷設の問題かと思っていた。

 しかしそうした話でもなく、日中に街中で使っていたら、突然ブチっと切れてしまった、という。いろいろ話を聞いてみると、どうも端末自体が異常終了を起こし、自動的に再起動(リブート)をかけてしまったようだった。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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