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外資系トップの英語力
【第10回】 2011年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
上阪 徹 [ライター],ISSコンサルティング [編者]

最終回
予想もしない海外行き。その逆境を糧にする方法
気持ちを切り替え、開き直りを転機にする

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グローバル勝負の要は気力と体力

 外資系企業をクライアントに持ったが、ただ説明するだけでは、プレゼンテーションにならないと知った。英語がしゃべれることとは、別のスキルが、ビジネスで英語を使って説明するには必要だということがわかっていったのだ。例えば、日本と外国の感性の違いを理解して、その上でロジックを組んでコミュニケーションできるか。

 「日本人にはわざわざ説明しなくてもいい、前提となる感覚や常識から、しっかりクライアントに説明して、納得してもらわないといけなかったんです」

 実はこのときに小出氏が手がけていたのが、「給料3ヵ月分のダイヤモンド」「スイートテンダイヤモンド」という、今も知られるデビアスの大ヒットキャンペーンである。

 その後、担当クライアントだったユニ・リーバに転じて後に役員まで上り詰め、マース・ジャパン・リミテッドを経て、今年から現職に就いている。そしてこの過程で、外国人とのコミュニケーションに関して多くを学んだと語る。

 「最初に英語を習い始めた頃は、アメリカ人=英語国民=ストレートにコミュニケーションして嫌なものはノーと言う、みたいな思い込みがありました。でも、実はまったく違いました。大切なのは、ちゃんと気を遣うこと。相手の状況を理解した上で発言すること。そうしないと、ただ主張したところで通りません。引くところは引きながら、を意識する。これは、日本国内のコミュニケーションと同じなんです。どうすれば、ウィン-ウィンになるかを考え、お互いを理解し、お互いにいい道を建設的に作り上げていく。それが大事なんです」

 実は日本人の英語力については、それほど心配していないという。きちんと勉強すれば、必ずできるようになる、と信じているからだ。かつての自分がそうだったように。だが、心配は別のところにあると語る。

 「すらすらと英語を話せる人は、たくさんこれから出てくると思います。でも、これからグローバルで勝負するにあたって、何より重要になるのは、実は気力と体力だと思います。もしかすると、日本人に最も足りないのは、これかもしれない。今のままだと、それこそアジアのパワーに吹き飛ばされてしまう。そんな危機感を持っています」

 英語力、グローバルコミュニケーションはもちろん、マネジメント、キャリア、仕事術、さらにはこれからの時代を担うビジネスパーソンへのさまざまなメッセージまで、10人の外資系トップが語り尽くした『外資系トップの英語力』。これからのグローバル時代を生き抜くヒントが、たくさん詰まっている。
 


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上阪 徹 [ライター]

1966年、兵庫県生まれ。89年早稲田大学商学部卒。アパレル メーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、95 年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、 雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がけている。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)シリーズ、『我らクレイジー★エンジニア主義』(Tech総研編/講談社)、著書に『新しい成功のかたち 楽天物語』(講談社)、『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSC新書)、『「カタリバ」という授業』(英治出版)、『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『預けたお金が問題だった。』(ダイヤモンド社)、『文章は「書く前」に8割決まる』(サンマーク出版)などがある。

ISSコンサルティング [編者]

「外資系転職のISS」として15年以上にわたり築き上げてきた外資系企業との信頼と実績をもとに、ミッドキャリアからエグゼクティブのプロフェッショナル紹介に特化した人材ビジネスを行っている。外資系企業の消費財、IT、金融、コンサルティング、メディカル、製造業等、広い業界をカバーし、紹介職種も、経営幹部、財務・経理、マーケティング、広報、営業、物流・購買、IT技術者、またはMBA・CPA取得者や海外でキャリアを積んだスペシャリストに至るまで、幅広い人材の紹介を行っている。


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