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ワークス研究所の労働市場最前線

動き出した派遣法改正
労働市場で「就業管理機能」をどう位置づけるのか?

中村天江 [リクルートワークス研究所主任研究員]
【第23回】 2011年12月8日
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ようやく動き出した!?
3年間進まなかった派遣法改正

 法律が改正されるかもしれないと言われてから3年以上、そのままの状態になっていた派遣法。今国会でも実質的には審議されない状態が続いていた。ところが、11月中旬、法案の内容を修正し、法改正を目指すとのニュースが飛び込んできた。

 2000年代半ば以降、派遣会社による給与の不当天引きや、雇用契約の中途解除である派遣切りなど、社会問題が相次いだために、派遣スタッフを守るための規制の必要性が認識されるようになった。

 ところが、労働者保護を目的とした法改正にもかかわらず、改正法案に対しては、当事者である派遣スタッフからも賛否両論があった。派遣切りなどの社会問題を再発させないために法改正を行うべきという意見の一方で、登録型や製造業の派遣が禁止されれば、仕事に就けない可能性があるとして反対する意見もあったのだ。

 また、企業にとって、規制強化は機動的な人材活用を難しくする。特に中小企業への影響が大きく、改正法案には産業界から根強い反対があった。

 派遣法改正案は、雇用機会の縮小や企業経営に影響の大きな項目は見直され、派遣スタッフの待遇改善につながる内容は残す方向で修正される見込みだ(2011年11月末時点)。

●現行改正法案からの主な修正項目

 登録型派遣の一部禁止 → 削除

 製造業派遣の一部禁止 → 削除

 短期派遣の禁止 → 禁止の範囲を日雇い派遣に限定

 違法派遣時の直接雇用みなし → 施行時期を法施行から3年後に

●現行改正法案のままとなる見込みの主な項目

 マージン率に関する情報公開

 均衡待遇(派遣先の同種業務従事者との賃金の均衡)の配慮義務化

 一定条件の派遣労働者に対する無期雇用への転換促進の努力義務化

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中村天江 [リクルートワークス研究所主任研究員]

なかむら あきえ/東京工業大学卒、東京大学大学院数理科学研究科修了後、1999年リクルート入社。求人広告(リクナビNEXT)、人材紹介(リクルートエージェント)の企画・運営や、キャリア支援サービス(Tech総研)の立ち上げ等、さまざまな形態の人材ビジネスに携わる。2009年4月より現職。


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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