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財部誠一の現代日本私観

日本財政破綻のXデーが2015年にやってくる!?
欧州危機が他人事ではない国債大幅格下げの可能性

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第10回】 2011年12月9日
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イタリアの次はフランスが標的に
ドイツの双肩にかかるユーロ問題の解決

 欧州の金融危機はギリシャ危機からついにヨーロッパの大国、イタリアに飛び火した。欧州の銀行が保有しているギリシャ国債の50%を債権放棄させるという中途半端な問題先送りで決着をつけようとしたことが、当然の如く、裏目にでた。市場は冷徹だ。独仏のリーダーをあざ笑うかのように、市場の標的はギリシャからイタリアに移った。11月末、イタリアの10年国債は大量に売り浴びせられ、金利は危険水域といわれる7%台まで一時は上昇。小国ギリシャの破綻処理もできないのに、大国イタリアが財政破綻に追い込まれたら、万事休すだ。

 事実、イタリア国債が暴落した瞬間、今度はフランス国債が標的にされた。フランス最大の銀行であるBNPパリバや、ソシエテ・ジェネラルなど、フランスの主要銀行はイタリア国債を大量に保有している。イタリアがこけると、フランスの金融システムが一瞬にして炎上する関係にある。

 欧州危機の最後の砦、ドイツは悩ましい。危機回避のためにEFSF(欧州金融安定化基金)が資金支援するといっても、実質的な担い手はドイツとフランス。フランスの尻に火がついたいま、頼りになるのはドイツ一国だ。だが当然のことながら、勤勉なドイツ国民は、これ以上自分たちの税金が欧州危機に費やされることに猛反発している。

 こうなったらEU加盟国同士のやっかいなルールにとらわれない、ECB(欧州中央銀行)の出番となるのだが、じつはECBを実質的に形成しているのもドイツだ。つまりドイツがどこまで踏み込んで資金を提供し、新しいEUの枠組みを作り直すか。問題の行く末ははっきり見えてきた。

 ユーロからギリシャを追い出すのか。

 ドイツがユーロから脱退してマルクを復活させるのか。

 それとも一度ユーロの通貨体制を解体した後に、新たに厳しい財政規律のルールを規定し、それをクリアした国だけであらたなユーロを形成しなおすのか。

 いずれにしても、欧州の高級官僚の作文だけではもうどうにもならない。12月9日の欧州首脳会議がラストチャンスだろう。いかなる決着が見いだせるのか。ユーロの未来は、文字通り、メルケル独首相の双肩にかかっている。

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


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経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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