ショッピングセンターの「廃墟化」が加速しそうな理由写真はイメージです

ショッピングセンター(SC)はアマゾンエフェクトで大淘汰時代を迎えるのか――。SC先進国である米国のメディアでは、最近よく廃墟と化したSCが映し出される。米アマゾン・ドット・コムの“効果“は、まるでブルドーザーのように既存の流通業界を押し潰していく。ネット通販が先行して拡大している中国でも、百貨店や大型店は不振で閉鎖も増えているという。今のところ順調そうに見える国内SCにも、アマゾンエフェクトによるSC淘汰の波が訪れるのか。あなたの街のSCは大丈夫?(流通ジャーナリスト 森山真二)

ショッピングセンターの未来に影
大型SC「ウイングベイ小樽」運営会社の民事再生法

 最近、国内のSCでちょっとしたサプライズがあった。北海道小樽市の大型SC「ウイングベイ小樽」を運営する小樽ベイシテイ開発の民事再生法の適用申請だ。事前に再建計画があるプレパッケージ型の法的整理とはいえ、SCの未来に影を落とした。

 もともとウイングベイ小樽は総合スーパーのマイカル(現イオンリテール)が開業した。しかしマイカルの経営破綻に連鎖する格好で、2001年に1度目の民事再生法の適用を申請、今回で2度目になる。

 ウイングベイ小樽は一時期流行した、どでかいSCで、その売り場面積は実に東京ドームの約2.5倍はあろうかという約12万平方メートル。初期投資額は約650億円もかけており、「いったい何年たったら黒字化するのか」という案件だった。

 当初の計画がバブルの時で、どう考えても無謀だったとしか思えないが、さすがに12万平方メートルもあると運営コストが高く、赤字が続いており債務超過だった。商圏人口の減少、さらにネット通販の拡大が追い打ちをかけた格好。自力での再建は諦め、再生ファンドをスポンサーにつけ2度目の法的整理とした。