ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

葛飾区――地盤の弱さや木造建物の密集をカバーする「公園サバイバル基地化計画」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第22回】 2011年12月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 地震で建物が倒壊・焼失した後に残るがれきの山。阪神・淡路大震災では約1450万トン。東日本大震災では、東北3県の合計で2300万トンを超えた。

 首都直下地震が発生したら、東京23区だけでこれらをはるかに上回る3885万トンの震災廃棄物が発生すると想定されている。23区の1年間のごみ排出量は約360万トン。10年分を超えるごみが、一気に発生することになるのだ。

区内ほぼ全域で液状化の恐れあり
地震発生で区の24年分のごみを生む!?

 葛飾区で発生が想定される震災廃棄物は367万トン。23区の1年間のごみより多い。葛飾区から普段出るごみの量と比べると、何と24年分に相当する(普段のごみ排出量は、収集ごみと持込ごみの合計。区別の持込ごみ量は、23区の合計を昼間人口で按分した)。

 多量のがれきの発生は、被害の悲惨さを物語っている。地盤は軟弱で、区内のほぼ全域で液状化の危険がある。建物の不燃化率は20位。木造建物密度4位。低層建物比率と木造一戸建て住宅の割合は最多。葛飾区は、典型的な木造密集地帯である。

 加えて、平均道路幅員18位。幅員13m以上の道路延長比率20位、19.5m以上は22位。公園面積比率は13位で23区の平均を下回る。

 工場密度4位。1事業所あたりの従業者数は台東区、荒川区に次いで低く、零細工場が多い。さらに、地場産業であるプラスチック製品製造業は、燃えやすい素材を扱う。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

「東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力」

⇒バックナンバー一覧