【現地ルポ】能登半島地震で「住宅倒壊」続出のなぜ、浮かび上がった「災害対策の課題」とは?甚大な被害を出した能登半島地震では、インフラが破壊された(提供/さくら事務所)

2024年元日に発生し、約5年半ぶりに震度7を記録する地震となった能登半島地震。被害の全貌がまだ明らかになっていないが、多くの住宅が倒壊し、人が住めない状況が続いている。今回、さくら事務所が運営する防災シンクタンク「だいち災害リスク研究所」所長の横山芳春氏が現地を緊急調査。そのレポートを基に、災害対策の課題について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

震源からある程度離れた
新潟、金沢の宅地も大きな被害

 能登地方では現状、奥能登を中心にアクセス状況もあって被害の全貌がまだ明らかになっていない。

 震度6強、7という激しい揺れや津波による能登地方での被害とは異なり、震源からある程度離れた新潟市西区、石川県金沢市などにおいても震度5強の地震で宅地に大きな被害が生じた。

 今回、さくら事務所が運営する防災シンクタンク「だいち災害リスク研究所」所長の横山芳春氏(理学博士)は、被害が限定的で周囲への影響が小さいと考えられた金沢市周辺で、1月4~5日、現地で被害実態の緊急調査を実施した。

 都市近郊の住宅街で何が起きていたか。緊急調査の被害の特徴から見えてきた、災害対策の課題について横山氏のレポートを基に解説しよう。