物流記者5人が白熱討論「物流への愛・誠意がない!」と苦言を呈した問題とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

カーゴニュース編集部の記者5人が物流トピックスを討論する新春座談会の第2弾。「物流革新緊急パッケージ」に盛り込まれた「置き配」ポイント付与制度と、「送料無料」表示は何が問題かについて、専門記者が白熱した議論を交わした。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

「置き配」ポイント付与制度の効果は…
ラストワンマイルの負荷を増やす可能性も

C ところで、「物流革新緊急パッケージ」に盛り込まれた施策では、宅配の再配達削減や消費者への啓発に取り組むとある。「置き配」やコンビニ受け取りを推奨するため、再配達をさせない利用者にポイントを与える仕組みをつくるようだが。

B この「置き配」ポイント付与制度では、通販業者に原資として、ポイントをお金に換算した場合の半額分、1回あたり上限5円を補助すると昨年末に発表されていたね。具体的な方針を早めに出してきた点からも、即効性を期待している取り組みなんだね。

D 日本人の「ポイント好き」を狙った制度だが、ポイント中毒のように、ポイントを貯めるために、ECで買わなくてもいいものまで買うようになったり、複数回に分けて買うようになったり、かえってラストワンマイルの負荷を増やしてしまう可能性もあるから、制度設計をしっかり行う必要がある。政府の補助を受けて宅配ボックスの増設や冷凍対応宅配ボックスの整備が進むことも、いたずらに宅配需要を増加させかねない。もちろん、再配達が減った分、より多くの宅配需要に応えられる余力は増すかもしれないが、それでも配達員の確保が追い付けるかどうか…。

E そもそも論を言えば、宅配は物流の本丸じゃなくて、25兆円を超える物流の市場規模のうちのせいぜい3~4兆円の領域でしかない。物流の本丸はあくまでB to B。ただ、B to Cの領域に手をつけないと国民の関心が物流に向いてくれないというのもある。再配達を抑制するのにポイント制度に効果がないとは言わないけどね。「送料無料」表記の見直しもそうだけれど、こうした取り組みについて一般消費者にも分かりやすいテーマを通して物流への理解を深めてもらい、消費者の行動変容につなげようという狙いなんじゃないかな。