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ポスト・ビッグデータ時代の経営

製造業における
ビッグデータ活用の盲点と対策(2)

KPMGコンサルティング
【第3回】 2017年12月29日
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出典:KPMGコンサルティング

 日本の製造業において、製造プロセスは改善に改善を重ねており、究極的な状態になっています。しかし、各種規制の変化、破壊的IT技術革新により、異業界からの参入が相次ぎ、さらなる競争力強化が求められています。元来、製造業における品質は日本の専売特許たる不可侵な領域です。そしてこれこそが日本が世界にたいして競争力を発揮していくにあたっての切り札であると確信しています。

 バラ色の世界を述べましたが、もちろん上記は簡単にはいきません。上記を進めるためには企業の熟練者、有識者の協力が不可欠です。AIの教師データ作成は、非常に泥臭い作業です。十分なデータが得られない場合でのAIのレコメンド精度は非常に低く、そこを根気よく評価し、チューニングしていくことになります。何度も繰り返し、企業の有識者たちはAIの出力する「ありえない結果」と向き合うことになります。これらの試行錯誤を乗り越えた先に道は開けてくるのです。企業は相当の覚悟をもって臨むことこそが、成功の最大の条件と言えるでしょう。

自然言語処理技術の活用

 暗黙知を収集するにあたって有識者へのヒアリングを実施することになりますが、企業内に電子データが全く存在していないかというと、決してそうではありません。ExcelやWord、その他テキストファイル等で自然文として大量に存在しているケースが多々あります。形式知化を進めるうえでは、自然文から意味を抽出していくことになるため、自然言語処理は欠かせません。

 自然文より意味を抽出するにあたっては、不具合事象の文章をベクトル構造に変換し、文章の特徴を抜き出すという手法を用います(word2vec等の言語処理アルゴリズムを活用)。生成した不具合事象の特徴ベクトルに、原因のラベル付けを行うことで、AIが学習可能なデータセットを生成することが出来ます。学習データに応用を加えることで、様々な問題の分類が可能となります。

 ラベル付けの妥当性こそがAIのレコメンド精度に直結します。ここでの企業の熟練者の協力は必須です。自然言語処理の流れは図4になります。

出典:KPMGコンサルティング
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