農林水産業者や自営業者のものとして始まった国保は、いまや8割が非正規雇用の労働者と無職者によって占められているのだ。

 原則的に、健康保険料は応能負担といって、その人の収入に応じて負担することになっている。もともと農林水産業者や自営業者は収入が安定していないところに加えて、相対的に所得の低い非正規雇用の労働者や無職者が増えているので、その財政運営の厳しさは推して知るべしだ。国保と会社員の健康保険を比較してみよう。

 定年退職した無職者を受け入れている国保は、加入者の平均年齢が被用者保険に比べて15歳程度高い。年を重ねると誰でも病気やケガをする確率は高くなるため、それに比例してひとりあたり医療費も高額になり、被用者保険の2倍を負担している。一方、相対的に加入者の所得は低く、集められる保険料には限界がある。

 財政運営が楽な健康保険などまずないが、他の健康保険に比べると国保の厳しさは格別で、2015年度は全体で2843億円の赤字となっている。

 こうした国保の財政状況を放置すれば、運営が立ち行かなくなる可能性もある。だが、国保は国民皆保険の最後の砦だ。崩壊すれば加入者の健康を守れなくなるだけではなく、国への信頼は失われ、社会に大きな混乱を招くだろう。

 そこで、国保の運営を安定させるために、2018年度から国保の財政基盤を根本的に見直すことになったのだ。