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エポックメイキングの1年に
心臓移植代替治療への道も
埋込型補助人工心臓

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第75回】

 将来、2011年は日本の重度心不全治療のエポックメイキングとして記憶されるだろう。昨年の改正臓器移植法の施行に続き、臓器移植までの橋渡しをする国産の埋込型補助人工心臓、2機種が保険償還されたのだ。「欧米では当たり前なのに、日本では未承認というデバイスラグがようやく解消された」(心臓外科医)。

 補助人工心臓(VAD)は機能不全に陥った自前の心臓を補助するために開発された医療機器。ガス交換のための肺循環と体内循環を補助するポンプ機能と制御装置、バッテリーからなり、体外にポンプを設置する「体外型」と体内にポンプを置く「埋込型」がある。従来、心臓手術後の回復期を支えるなど、病院内においては体外型が主に使用されてきた。しかし、1990年代以降に心臓移植が盛んになると、海外では埋込型VADが急速に普及、移植を待つ間も就労や学業を続けながら在宅で過ごすことが当たり前になっている。

 一方、日本では移植制度の遅れもあり、約30年前に開発された体外型しか使用できず、移植待機期間を入院して待つほかはなかった。しかしこの4月に「EVAHEART(サンメディカル)」と「Dura Heart(テルモ)」の二つが保険償還されたことで、日本でも在宅移植待機への道が切り開かれた。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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