佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第14回】 2012年1月11日 橋本裕之

八戸せんべい汁――アルデンテな歯ごたえのせんべいに、旨い出汁がしっかり染み込む!

 まったくもって個人的な話から書きだしてしまい恐縮なのだが、筆者には地元が青森県は南部町という一番岩手県よりの地域出身の妻がいる。お盆などで、妻の実家に行く際に、青森は南部地域の食べ物をいろいろ食べるのだが、これがとても旨くて、印象に残っており、この連載が始まってから、ずっと紹介するチャンスを窺っていたのだった。

 そもそも、青森県はまず、八戸などの日本有数の漁港に加えて、様々な野菜や、豊富な自然によってもたらされる山菜などにも恵まれ、海の物も山の物も堪能できる土地だ。

 また、八戸には『八食センター』(青森県八戸市・開業時の八戸食品センターという名前に由来)という大型の市場があり、ここに来れば八戸を中心とした青森の名産品がひと通り買えて、食べられるという素晴らしい場所である。

 もちろん、今回紹介する料理の数々も『八食センター』で、食べ物や食材がほぼ手に入るので、八戸を訪れた際はぜひ寄ってほしいと思う。

 さて、そんな八戸を中心とした青森の料理が堪能できる店が、なんと東京・それも新橋にあるという。『北の台所 おんじき 新ばし家』である。「おんじき」は日本の古い言葉で、漢字で書くと「飲食」となり、まさしく「飲むことと食べること」を指す。

 八戸の地元の寿司屋で修行していた店長の佐々木さんは東京でのさらなる料理店での修行を経て、八王子、立川に故郷の味を伝える店を出店。そして昨年、新橋に3店舗目の店をオープンした。

日本酒に欠かせない青森県超定番のツマミ!
『身欠鰊』(みがきにしん)に『ねぶた漬け』

『身欠鰊(みがきにしん)の味噌和え』と『ねぶた漬け』。青森県では定番の酒のツマミ。もちろんご飯と一緒でも旨い!

「いやぁ、青森の味が東京で食べられるなんて、本当に嬉しいなぁ。まずは、やっぱりこれだろう!」

 スタートとして、まず頼んだツマミは『身欠鰊(みがきにしん)の味噌和え』と『ねぶた漬け』だ。青森の人なら誰でも食べるツマミではなかろうか。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

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