かつて深センの人々は、必死で下請けの組み立てをして豊かな生活を目指していた。それがこの10年で物価も生活スタイルも別世界のように上がり、人々の意識もハングリー精神からクリエイティブとイノベーションを目指すように変わった。ハイレベルの教育を受けて、視野もグローバルに広がった世代が、この街を担っている。その変化の背景を、深センの投資家・シャン・リュウ氏に聞いた。(メイカーフェア深セン/シンガポール 高須正和)

深センはいかにして、世界を代表するイノベーション都市となったのか

深センは「世界の工場」から
世界を代表するイノベーション都市へ

 今の深センは、世界を代表するイノベーション都市といえる。深セン市だけで2万7000のベンチャーキャピタルが存在し、5.6兆元(1元17円として93.5兆円)の投資が行われている。また、起業数やIPOの数、特許の数などを見ても明らかだ。

 さらに、「Rocket Space」や「Plag & Play」「HAX」といったシリコンバレーのアクセラレータやコワーキングスペースが深センにオフィスを構え、中国語より英語を話している人が多いようなオフィスがそこら中にある。

 しかし、ここが「世界の工場」と言われた頃からこうなるまでに、せいぜい5~6年しかかかっていない。にわかに信じがたい話である。必死でハンダ付けをしていたり、粗悪なパチモノを作っていた人たちはどこに行ったのだろう。そして、今のスマートな深センを支える人たちはどこから来たのだろう。

 深センで投資とアクセラレーションを行う会社「LEAGUER X」は、2013年から「Cross-border Technology & Acceleration Investment」を旗印に、テクノロジーと起業アクセラレーションを掛け合わせる投資ビジネスを行っている。その発起人であるシャン・リュウ氏は、今の深センがいかに「別物」になったのかを世代や取り巻く状況の変化を含めながらリアルに説明してくれた。