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結婚式はウェディングプランナーで選ぶ
“ナシ婚”時代の結婚式事情

週刊ダイヤモンド編集部
2012年1月27日
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 結婚はするが結婚式はしない“ナシ婚”が増えている。

 1月1日に発表された厚生労働省の人口動態総覧によると、2011年に結婚した夫婦の数は約67万組。これに対して、経済産業省の「特定サービス産業実態調査」(05年調査)によると、年間の結婚式(挙式・披露宴)は、約35万件にすぎない。

 「婚姻した年に必ずしも結婚式を挙げるとは限らないが、結婚する夫婦の約半分しか、結婚式を挙げていないのではないか」と、結婚式場の口コミサイトを運営するみんなのウェディング代表取締役の飯尾慶介氏は読む。

 結婚式を挙げない理由は人それぞれだが、最大の要因は金銭的な理由だ。

 今月、みんなのウェディングでは「昨年結婚したが結婚式は挙げていない」という女性300人を対象に、結婚をテーマにアンケート調査を実施した。その結果、じつに33%が「費用が高そうだから」、31%が「挙式や披露宴以外のことにお金を使いたいから」と回答したという。

 加えてナシ婚夫婦の多くには、お決まりのパターンに終始する“ザ・結婚式”への嫌悪感があるようだ。

 実際、昨年秋に結婚したばかりの女性(25歳)は、「自分が出席した挙式はどれも同じに見えて、魅力を感じなかった」という。「最近は、多額の資金をかけてまで結婚式を挙げることに、意味を見いだせない夫婦が多い」と、業界関係者も口を揃える。

 限られた予算のなかで、一つひとつの結婚式にオリジナリティを出すのは簡単ではない。だが、結婚した夫婦の約半数が式を挙げていないのであれば、式場としてはかなりの機会ロスだ。

 そこで、式場各社がこぞって打ち出したのが、利用者が式場を選ぶのではなく“ウェディングプランナーを選ぶ”、という発想だ。

 ウェディングプランナーとは、結婚式を夫婦の予算や要望に合わせてプロデュースする、いわば結婚式の水先案内人。“幸せをコーディネートする仕事”として10年ほど前からテレビドラマなどで取り上げられ、若い女性のあいだでは、憧れの職業の一つになっている。

 通常は、挙式するカップルが式場を決めた後で、式場が担当するプランナーを決めるのが一般的だ。しかし、この方式だと腕利きプランナーが自分の担当につくかどうかは運にまかせるしかない。

 ウェディングプランナーを選ぶことができれば、そんな問題は発生しないのではないか――? ブライダル業界大手のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)もプランナーを指名できるプランを取り入れた会社の一つ。利用者は、プランナーの得意としている演出や、過去に手掛けた結婚式を参考に、自分たちのイメージに合う挙式を演出してくれそうなプランナーを選ぶことができる。

 T&Gのウェブサイトでは、人気のウェディングプランナーが、顔写真やプロフィール、過去に手掛けた結婚式の事例ともに紹介されている。プランナー自身もブログで情報を発信する。

 ただ、いかに魅力的な挙式を演出しても、ナシ婚の最大の理由である金銭面の問題は、解決されていない。結婚式にかかる費用は右肩上がり。結婚情報誌ゼクシィの調査によると、首都圏の平均は、05年の291万円から、昨年は350万円にまで上っている。

 「床に花びらをまくだけで2万円かかった」とは、一昨年夏に結婚式を行った27歳男性。確かに、結婚式で使用される花や映像は、かなり割高だ。

 というのも、お花代やドレス代の「じつに30~40%もが式場に抜かれている」(業界関係者)からだ。志高く職についたものの、式場の儲けを優先せざるを得ないジレンマに嫌気が差して辞める若いウェディングプランナーも少なくない。

 そんな業界のアウトサイダー的存在でもあり、救世主にもなり得るといわれているのが、フリーのウェディングプランナーだ。

 フリーのプランナーは、式場の都合に従わなくて済むぶん、夫婦の予算に合わせてより自由な発想で結婚式を企画できる。例えば、小学校の同級生同士の挙式なら母校の教室で、動物園の同僚は園内で動物たちと、など、お仕着せの挙式とは一線を画すスタイルが人気を呼んでいる。

 フリーとはいえ、発注する業者にキックバックをもらうケースもあるため、実費より割高にならないとは限らない。だが、顧客が顧客を呼ぶ口コミの世界で勝負しているだけに、多額の“中抜き”は難しい。

 「同じ予算でも、適正価格で結婚式をプランすれば、式場所属のプランナーより満足のいく結婚式ができる」と、あるフリーのウェディングプランナーは自信を見せる。

 現在、国内で活躍しているフリーのウェディングプランナーは、ごくわずか。だが、こうした動きを先取りして、フリーのプランナーの認知度を上げる仕組み作りに乗り出した企業もある。

 フリーのプランナーが一般化すれば、型にはまらない新しい形の結婚式が増えて、利用者の選択肢が広がる可能性は十分ありそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 脇田まや)

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