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「婚迷時代」の男たち

結婚式を挙げられない「ナシ婚」が増加?!
「親の経済力」次第で、結婚式に格差も

――「持たざる息子娘」の超低予算・披露宴作戦とは?

西川敦子 [フリーライター]
【第5回】 2009年4月10日
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 ある大物経営者の息子の披露宴のために、式場は上を下への大騒ぎになった。

 招待客700人分の高級グラスとカトラリーはすべて新しく注文する。会場の壁紙はすべて張り替え、カーペットも真新しいものを敷き詰める――。父親である社長の要望は、業界歴10年以上のウェディングプランナー、佐々木みのりさん(仮名)も思わず仰天する内容だった。

 「それはもうぜいたくなプランでしたよ。けっして派手な趣向を凝らしたい、というわけではないんですが、見えないところこそおカネをかけたいからとおっしゃられて。料理へのこだわりも相当なもので、ご本人ではなく、お父様が5回もご試食になりました。引き出物はお父様が選ばれたバカラのクリスタルグラス。9万円相当のお品です。手提げ袋も特注でした」

急増する「親がかり披露宴」

 こんなケースは特別としても、実際、親がかりの結婚は増えているようだ。

 リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の「結婚トレンド調査2008」の結果によると、親・親族からの援助を受けて結婚した人は78.2%で前年比2.2%増。援助の平均総額は198.8万円と、前年を20.5万円も上回った。過去最高の金額だ。しかも、援助費用は年々増加傾向にある。

 無理もない。貯蓄額が100万円以上の20代男性は約2割。昔と違ってボーナスも当てにできないご時勢では、なかなか結婚費用を貯めることもままならないのだ。親の経済力に頼らない限り、結婚式など到底挙げられなくなっている。

 こうした事情もあってか、披露宴の趣向も最近は親を意識したものが目立つ。

 ブライダル司会業を手がけるサクラフロントでは、「親子の絆を深める結婚式」をプロデュースしている。新婦が小さな頃に着ていた母親手作りの服。新郎が夏休みの宿題で父親と合作した船の模型。思い出の品や写真、ビデオなどを披露しながら、親子の思いにスポットを当てていく。

 「以前はエンタテイメント性のある派手な演出が好まれたものですが、最近は違う。もっとしみじみと喜びや感謝を味わう、感情に訴える式が求められています。とくに親子でそうした思いを分かち合いたい、という傾向が高まっているよう。結婚式は親別れ、子別れのセレモニーでもありますからね」と同社の櫻庭寛代表取締役社長。

「人脈を受け継がせる式」から
「おカネだけ出す式」へ

 ところが親がかりの結婚式をしながらも、近頃の招待客は新郎新婦の友人たちがメイン。招待状の送り主も親ではなく本人たちというケースが圧倒的だ。

 「昔は父親の上司や取引先、親戚一同といった、実家の関係者が大勢招待されたものですが、今はめっきり減りましたね。結婚は家同士でするもの、という常識は完全に廃れつつあります」(櫻庭氏)

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

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