仮想通貨については「相場高騰により莫大な利益を獲得した」「実際に誰が儲けたのか国税庁が調査に乗り出した」そんな話題が続いていたところに、今度は流出騒動まで起こりました。2017年から起こったそのような仮想通貨に関する話題は、まだまだ収まりそうにもありません。今回は仮想通貨に関わる税務について確認してみましょう。(税理士 高橋昌也)
税法上、通貨に近いものとして認定された
2017年7月から、ビットコインをはじめとした仮想通貨の購入および譲渡について消費税が非課税になりました。それまでは「物やサービスの購入」と同じ取り扱いで、購入時点では消費税が課され、売却した時点でも課税売上とされていました。しかし、非課税となったことにより「株式や投資信託などの有価証券」と同じような取り扱いになりました。
これは、仮想通貨が現預金に限りなく近いものとして税務的に認定されたことを意味します。消費税が非課税となったことにより、2017年夏以降の相場急騰に繋がったという分析もあるようです。
所得税上は雑所得として認定される
個人が仮想通貨の売買により利益を得ている場合、原則的には雑所得というものに該当します。雑所得とは「給与、事業、不動産、譲渡などに該当しないその他の所得」です。イメージとしては、仮想通貨の売買による所得は税務上「副業的なもの」として取り扱われます。
この雑所得は、最終的には給与や事業、不動産といった他の所得と合算する総合課税という方式により課税が行われます。仮想通貨の売買による利益額だけでは税率が決まらず、給与や事業など他の所得がどれくらい出ているのかにより、税率が大きく異なります。仮に最高税率が課されると、所得税率は45%に達します。住民税の10%と合わせると、半分以上が税金です。