スズキ鈴木修会長「誠に遺憾」

 鈴木市長以前の第1次行革審は機能していたとは言い難い。行革審の提言書である『最終答申』の総論の冒頭で、鈴木修会長は下記のように不満を表明している。

「当行革審は、委員による勉強会とともに、審議会を市民に広く公開し、改革すべき事項を数多くの傍聴者が見守る中で、延べ17回実施した審議会のうち、市長が1度しか議論に参加しなかったことは誠に遺憾である」(原文ママ)

 行革審は馴れ合いではなく本気の改革を実現する意思があった。それと同時に、気概を持った行革審の存在だけでは改革が進まなかったという事実を、鈴木修氏の言葉から読み取ることができる。

 では、第2次以降の市政を担った鈴木市長は何を変えたのか。それは、行革審の提言に真摯に向き合うのはもちろんのこと、より緊密な連携をとることだった。その具体的な施策として、『行財政改革推進審議会“事務局”』という、市の職員とスズキなどから派遣された若手による官民混成チームを作ったことがあげられる。

 行政の中身を行革審に深く理解してもらうため、事務局は土日も含めて何度も非公式の勉強会を開催した。こうした中で深く掘り下げた討議が行われ、それをもとに行革審を通じて実現可能な提言がなされた。その結果、抵抗勢力も安易に反対することはできなかった。

 また、行革審はチェック機能の役割も果たした。たとえば、第4次行革審の中間答申書では、市が「答申どおり実施」したものが306事案ある、と報告したものに対して厳しく査定をしている。

 行革審は306事案を分類し、「答申どおり実施」を108、「答申の一部を実施」を167、「実施時期が未定」を6、「実施していない」を25とし、市へ早期対応を求めた。こういった実行を促す地道な施策の積み重ねが、改善の徹底とスピード感を生み、ひいては浜松市の財政健全化に大きく寄与したのである。

 浜松市行革審の特筆すべき点は、このような徹底した実行力だ。行政の主宰する有識者会議は各委員の意見主張に終始し、実行や意思決定を伴わないことも多いといわれる。しかし、自治体は本来、政策以上に執行を担うべき存在である(現実には自治体が政策立案をしている面が強いが)。

 行政の有識者会議をより建設的なものにするためには、浜松市行革審のような実行を意識できる委員を登用するか、もしくは、先に述べた事務局のような、実行をサポートする存在が必要になるだろう。