少子高齢化が進む中
注目を集めている介護施設や粉ミルクの問題

 【養老】では「民政省が継続的に全国養老院サービス質量建設専門行動を展開する。養老機構のレベル区分と評定基準を制定し、全国統一の養老機構サービス質量評価体系の設立を研究し、高齢者が長期的に介護を享受できる保険制度の設立を探索し、経済的に困難な高齢者や障害者に対する補助制度を省レベルで全面的に設立することを推進する」と謳っている。

 中国でも高齢化が進む中、“養老院”が注目を集めるようになっている。日本で言うところの老人ホームや介護施設に相当するが、私が日頃中国各地をフィールドワークする過程でも、地方自治体が養老院を設立しようという法人に対して減税や補助金を含めたあらゆる行政的支持を施そうとしているのを感じさせられる。今後ますます深刻になる高齢化に向けてあらゆる制度基盤を固めようとしているが、実際に養老院をどう運営するかというマネジメントやソフトウェアの面で中国はまだまだ学習中・模索中という様相である。ここにも日本の経験や教訓が活かせるのではないかと個人的に考えている。

 【食の安全】では「2018年、国家食品薬品監督管理総局が《乳児用調合粉ミルク商品の登録管理方法》などの規範に基づいて、乳児用調合粉ミルクへの監督と検査を引き続き強化し、年内に全国乳児用調合粉ミルク生産企業への食の安全生産規範体系検査作業を終わらせる」と謳っている。

 粉ミルクと聞いて中国の食の安全問題を想起する読者も少なくないと察するが、我々外国人の皮膚感覚で問題だと感じる部分や分野が中国国内でも次第に問題だと認識され、消費者が生産する企業に品質を要求し、政府が企業に対して監督を強化するという流れはできてきているようである。どこまで徹底して管理されるかは別として、少なくとも今回のような動きは前向きだと言えるだろう。

「人権」が後回しの現状下
「公正」がどれだけ充実していくか

 さて、私は胡錦濤政権から習近平政権へと移行して間もないころ、2002年から2022年という両政権にまたがる20年を読み解くための4つの軸として「安定」、「成長」、「公正」、「人権」を挙げた(過去記事参照:「安定」「成長」重視か「公正」「人権」尊重か 胡錦濤と習近平の20年を読み解くための4つの軸)。