Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線
【第4回】 2012年2月7日
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渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー]

【インド市場】
Drishtee Foundationから
農村ビジネスの要諦を学ぶ 日本総合研究所創発戦略センター副主任研究員 渡辺珠子

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近年BRICsの一角として先進国からの注目を集めているインド。日本企業も次々にインドへの投資を開始している。一方で低所得層人口が多いことから、インドではソーシャル・ビジネスの事例が豊富に見られる。インドのソーシャル・ビジネスはどのようなものなのか。日本企業に参入のチャンスはあるのか。今回はこれらについて探っていきたい。

ソーシャル・ビジネス大国

 約12億の人口を抱える大国インド。2010年度のGDP成長率は8.5%と、経済成長が著しい新興国でもある。近年、日本企業の進出も加速しており、自動車・二輪車関連産業やインフラ関連産業を中心に、すでに700社以上がインドに進出している。自社の次なる成長基盤として、インドを攻略すべき新興市場と捉える企業は多い。

 そんな中でここ最近、インドに進出している、もしくはこれから進出する企業の中からよく聞かれる言葉がある。それは「都市部だけでなく地方都市や農村部をいかに攻略するか」である。

 インドは都市部と農村部の人口の比率は約3:7と、圧倒的に農村人口が多い。人口の多い都市の上位20位までを合計しても約8500万人であり、全人口の約7%に過ぎない。農村人口がいかに多いかを実感できる(図表1参照)。企業が大きな市場として農村部をターゲットとするのもうなずける。

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渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー]

わたなべ たまこ/名古屋大学大学院 国際開発研究科(国際開発専攻)修了後、メーカー系シンクタンクにて中国を中心としたアジア諸国のマクロ経済動向調査、ODA関連調査等に携わる。2008年に日本総合研究所入社。09年度に国際協力機構のBOPビジネス促進制度に関する制度設計に従事。現在、主に日本企業の新興国におけるソーシャル・ビジネス立上げを支援している。


Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線

日本で「ソーシャルビジネス」という言葉が紹介された当初は、海外から持ち込まれるカタカナ経営用語の一つというとらえ方をされていた。だが昨今話題になるソーシャル・ビジネスは、「地域社会やコミュニティが抱える社会的課題を解決する」という面だけではなく、「社会構造を根本的に変える」イノベーティブな発想も内包する。市場のルール自体を変えるチェンジメイカーだ。インド、中国内陸部、アフリカ、東南アジアにおけるソーシャルビジネスの最新事例を基に、日本総研の女性チームがその実体験と分析を紹介する。

「Ms.BOPチームの「新興国ソーシャルビジネス」最前線」

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