Rule6
シンプルな英語を構成する5つの要素

 本書で提唱する「シンプルな英語」とはなにか。ここでまとめてみましょう。
 これまでの事例で見てきたように「シンプルに伝える英語」には、以下の5つの要素があります。

(1)結論が明確で、短く、わかりやすい
(2)論理が明確で、ストレート
(3)簡単でわかりやすい語彙
(4)堂々と存在感がある
(5)高いリスニング力を備えている

 まずは、英語力以前に伝える「中身」が大切ということ。
 次に、その発言の中身を「結論と根拠が明確」な論理構成で伝えること。
 さらに、簡単な英語表現を用いた作文力です。ここでは「日本語で思いついた内容をそのまま英語に翻訳する」という発想から脱却する必要があります。私たちが日常的に使う日本語には複雑な語彙や表現が多いからです。
 この発想の転換は「小学生に何かを説明する」ところをイメージするといいでしょう。小学生に説明しようとすると、日本語の語彙レベルを相手の小学生に合わせて簡単なものに変えていくはずです。
 これらの要素を備えた「シンプルに伝える英語」は、どのように身につけていけばいいのか。それはひとことで言えば「基本」を大切にするということです。英語コミュニケーション力の向上は、「基本」を疎かにしては不可能です。楽な方法を探そうとすると、結果的に遠回りになります。「基本」をしっかり身につけ、最短最速で「シンプルに伝える英語」を習得する。その方法について、次章以降で見ていきましょう。

POINT 魔法のメソッドはない。基本を大切にすることが最短ルート