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ポスト・ビッグデータ時代の経営

自動運転時代にカギを握る
技術の階層構造とは

KPMGコンサルティング
【第4回】 2018年3月14日
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 自動運転、モビリティサービスの普及、発展とともに新たな“島”が私たちの目の前に現れようとしています。従来からある国や地域、地理的な意味での島や大陸に代わって、“アイランド・オブ・オートノミー”(注1)という、島のように散在する自律型モビリティ社会がやってくるのです。大航海時代に突如として現れた夢の新大陸のように、デジタル時代の新大陸も私たちに夢と希望とともに新たな社会、経済をもたらします。(注1)出典:KPMG「アイランド・オブ・オートノミー」

 今回は、大航海時代の「羅針盤」のように、自律型モビリティ社会に代表されるようなデジタル大航海時代を進展させる可能性があるカギとなる道具、キー・ツールについて解説します。

デジタル大航海時代の“羅針盤”とは何か?

 本連載の第1回「ビッグデータ時代の終焉」で述べたように、データ分析を武器とした経営に必要な備えは、「アルゴリズム」「知識」「アーキテクチャ」の3つです。ビッグデータ時代に成功していた企業は、この3つのバランスを取りながら自社の人材、マーケットにおける状況にあわせて、自社の強みを活かすことができる領域に対して重点的に投資を行ってきました。

 IoT、特に完全自動運転に注目した場合、「アーキテクチャ」に関する洞察がビジネスの成否を左右します。デジタル大航海時代のキー・ツールの1つは、「アーキテクチャ」であると考えています。

 現在、人は様々なセンサ(sensor)に囲まれて暮らしています。センサは現象や環境や物質の性質を科学的な原理により検出する機構であり、人体における五感に相当します。人間であれば相対的かつ定性的に知覚している外的刺激をセンサは絶対的かつ定量的な数値や信号に置き換えることができます。センサは物理センサと化学センサに大別できます。物理センサは波長、温度、質量といった物理量を電気信号に変えており、化学センサは金属酸化物や溶液中のイオンといった化学物質を検出して電気信号に変えています。大まかには、人体での五感のうち、視覚・聴覚・触覚と対応するものが物理センサであり、嗅覚・味覚に対応するものが化学センサであるといえるでしょう。

 機器、情報システムはただ動けばいいというわけではなく、状況に応じた制御が必要となります。センサは人間では検知できない領域で機能し、人間では識別できない微小な差分についても検出可能であるため、周囲の状況に応じて機器、情報システムをコントロールする上で必要不可欠な要素となっています。現在、多くのセンサが日常生活で使用する家電や通信機器等に組み込まれており、スマートフォンには15~25個、自動車には40~60個 のセンサが使われています。IoTの活用の機運の高まりによりさらに多くのセンサが使われることとなり、2020年には300億以上のデバイスがインターネットにつながれることが予想され、センサの数はその数倍となることが確実となります。センサおよびセンサを動かすためのアーキテクチャはIoTという新時代のキーファクターとなることは間違いありません。

 IoTにおけるセンシングで重要なことはアーキテクチャ設計と進化論であると考えます。

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