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Airbnb創設10周年で
宿と宿泊客の双方を盛り立てる策を強化

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第443回】 2018年3月7日
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宿を提供するホストの
トップ級を厳選、優遇

 さらに、今回新たに設けられた、その上をいくレベルが「Airbnb Plus」である。Airbnb Plusにリストアップされるには、スーパーホストの標準をクリアする上に、特別の認証を受ける必要がある。

 認証のためにはAirbnbの社員が実際に出向き、清潔さ、快適さ、アメニティーの充実度、ホストのパーソナリティーを反映したインテリアなど100項目をチェック。そこで満点を獲得したホストだけが選ばれる。Airbnb Plusに認証されると、Airbnb持ちでプロのカメラマンによる撮影を行い、同社にインテリア・デザインの相談をすることが可能になる。ホストにとっては、スーパーホストを目指し、さらにAirbnb Plusの高みに到達することによって、利点が大きくなるという仕組みだ。

 Airbnb Plusはすでに13都市でスタートし、今年中に世界各都市に拡大していくという。現在、そこに挙げられた家を見ると、シカゴのロフトで屋上庭園のついたアパート、丘の上に駐車された改造エアストリーム・キャンピングカーで、周りにパティオを設けた場所など、数々のユニークな家がある。プロの写真家が撮影しただけあって、まるでインテリア雑誌のように味のある写真が部屋ごとに整理されて並んでいる。Airbnb Plusに認定されているので、単なる見かけだけではなく、クオリティとしても信頼できるということだ。

宿泊客にも“プロ”がいる

 ゲスト側にも、そうした特典が設けられる。「スーパーゲスト・プログラム」の設立である。これまではゲスト側への特典はなかったのだが、同プログラムによって「Airbnbが、使えば使うほどによくなる」(チェスキーCEO)ことを目指すという。このアイデアは、リタイアして持ち家を売り、過去4年半ずっとAirbnbで宿泊をして暮らしてきた初老の夫婦を同社インターンとして迎えたことで得たものという。Airbnbではプロ級のホストが育っているだろうが、ゲスト側にもプロがいると言えばいいだろうか。

 具体的にスーパーゲスト・プログラムでは、空港での送迎、宿泊料金のディスカウント、特別な宿泊場所へのアクセスなどが計画されている。今春から1万人のゲストを対象にテスト実施され、その後今夏から本格的にローンチする。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

ビジネスモデルの破壊者たち

シュンペーターの創造的破壊を地で行く世界の革新企業の最新動向と未来戦略を、シリコンバレー在住のジャーナリストがつぶさに分析します。

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