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Airbnb創設10周年で
宿と宿泊客の双方を盛り立てる策を強化

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第443回】 2018年3月7日
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 現在、Airbnbには450万件を超える宿泊場所のリスティングがあるが、今後ユーザー全員にとって便利になるのは、選ぶ宿泊場所のカテゴリー分けが明確になり、種類が増えることだ。

 例えば、宿泊場所の種類では、これまでシェアルーム、個室、一軒家の3種類しか選べなかったが、今後カテゴリーが増え、バケーションホーム(貸別荘)、ユニークな施設(ツリーハウス、ボートなど)、B&B(ベッド&ブレックファースト)、デザイナーズホテルが加わる。

 また、目的別にも検索が可能になる。こちらは「コレクション」と名付けられ、手始めにファミリー(家族連れ用)、ワークス(出張用)から始め、その後、ソーシャルステイ(ホストや他のゲストとの交流がある)、ウェディング、ハネムーン、ディナー・パーティー、グループゲートウェイ(大人数)が加わる。宿泊の目的に合わせて宿泊場所があらかじめ分類されるので、探しやすくなるということだ。

 さらに、ラグジュアリー物件も選べるようになる。ここには、イタリア・トスカニー地方のヴィラや英国の城のような場所がある。これはAirbnbが昨年買収したラグジャリー・リトリートの物件を含んだもので、人生で1度は行ってみたい場所が集められている。

不正を働くホストは追放する

 チェスキーCEOと共同創業者のジョー・ゲビア(現CPO=チーフ・プロダクト・オフィサー)が、アパートにエアーベッドを置いて旅行者を泊めたのがきっかけとなって、2008年に創設されたAirbnbは、10年後の現在、世界8万1000都市に広がり、これまで総額410億ドル(約4兆1847億円)の収益をホストにもたらした。

 ホテル産業を脅かす存在にも拡大しているAirbnbだが、最近はホストの家で隠しカメラが見つかるという事件が何軒か報告され、個人と個人が取引をするシェアリングエコノミーの危うさも露呈した。Airbnbは、寝室やバスルームにはカメラを設置しないこと、また他の部屋に設置する場合もそれを告知することを課し、そうした行いをしたホストは永遠に同サイトから追放するという。

 今後も未知の問題にぶつかることもあるのだろうが、今回の発表ではあくまでも前向きに自社ビジネスとホスピタリティーの未来像を描き出したものとなった。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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