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山崎元のマネー経済の歩き方

株価指数の三つの機能

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第216回】 2012年3月5日
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 株価指数には、現在、三つの機能がある。

 第1に株式市場の状態を表す統計指標としての機能だ。完全に株式の時価総額ウエートで計算されていた旧TOPIX(東証株価指数)などは、この機能に適合した指数だったといえる。東証第1部の株式のかたちになっている富の増減の具合を表していた。

 第2に資産運用の対象としての機能だ。端的にいって、インデックスファンドのターゲットだ。インデックスファンド側の事情で、株価指数は、単に目標となるだけの場合もあるし、インデックスファンドのポートフォリオそのものになる場合もある。

 インデックスファンドの運用目標に適した指数は、運用に何を求めるかによって変わるが、「シンプルで、ローコストだが、他の運用に負けたくない」といった目標を達成するには、指数が「他の運用者の平均」を表していることと、市場での売買の流動性などの点で運用ポートフォリオを指数に追随させやすいような株価指数がいい。現在主流の浮動株ウエートの時価総額型指数(TOPIXやMSCIの各種指数など)がこの路線だ。

 指数がアクティブ運用者の「平均」であれば、インデックスファンドは手数料が安いぶんだけ、アクティブ運用の平均に「必ず」勝つ。これは、市場の効率性が成立しているか否かに関係ない。

 ただし、アクティブ運用者の平均を持つことに必ずしもこだわらなくてもいいとする立場もある。十分に投資が分散されていれば、平均から大きくは離れず、しかも勝ち負けは半々なのだ。手数料さえ十分低ければ、ファンドも内容はかなり自由なはずだ。時価総額ではなく、利益や売り上げなどファンダメンタルな変数にリンクしたウエートを持つファンダメンタルインデックスでもいい。ポートフォリオのリスクの絶対値を小さくするミニマム・バリアンス・ポートフォリオを持つ手もある。インデックスが何を表すかの「意味」がはっきりしてさえいれば、アクティブファンドでもいい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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