「退職金運用病」の特徴とは

 また「まとまったお金は一度に投資先を決めてしまいたい」という気持ちが強いのも、この病の特徴です。

 私が相談を受けた方やセミナーなどで出会った方の中にも、

「退職金の運用は、一度に投資先を決めるべきものだと思っていた」
「数万円なんて少額で投資するのも格好悪いから、1000万円単位で買った

 などと話される方が少なくありません。

 しかし投資額が大きければ値下がりした場合の影響も大きいため、それはリスクの高い買い方といえます。投資で失敗した人で、大きなダメージを受けたのは、まとまった金額で投資デビューをした人です。

 さらに、もうひとつの特徴としては、一度、リスクをとる商品を買うぞ、と覚悟をすると、リスクをとったのだから儲かると錯覚してほったらかしにしてしまう、ということ。「前に投資信託を買って、それがずっと下がり続けている」と塩漬けにされた投資信託の相談されることも少なくありません。投資は「買って」「売る」のがひとつの経験です。

 リスクのある投資商品は、ほったらかしではダメ。増えても減っても「売る」ということを体験するのが大事だと思います。

「投資」で成功すれば、
将来の不安が取り除ける!

 リタイア後は、それまでに貯めたお金の取り崩していく生活になるので、どんなにお金を持っている人でも「死ぬまでに足りなくなったらどうしよう」という不安を持つものです。

 リタイアされた方のコンサルティングをすると、老後資金としては十分すぎる金融資産を持つ方からも不安という声を聞くことがあり、「金額ではない。いくらあっても、お金が減っていくということは本当に不安なものなのだ」と痛感させられます。

 退職金や、それまで貯めたお金を運用することで、少しでも増えたり、運用益を手にしたりすると、「お金が減っていく恐怖」が和らいでいくようです。

 漠然とした不安を解消するためにも、自分に合った、きちんとした投資商品を選び、使いこなせることを目標にしてみましょう。

※次回は、一気に投資はしない!
まずは「つまみ食い」でお試しする です。


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まとまったお金があると発病!?<br />「退職金運用病」に要注意!

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