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宮崎市の大型リゾート施設「シーガイア」の引き受け手が決まった。パチンコ、パチスロ、家庭用ゲームソフトなどを製造するセガサミーホールディングスである。買収費用は、運営会社のフェニックス・シーガイア・リゾートの株式取得に4億円、債務返済のための貸し付けと合わせると58億円に上る。
1993年に開業したシーガイアは、世界最大の屋内水上施設などが話題を呼び、当初は宮崎県などが出資する第3セクターの運営だったが、2001年に破綻。同年からはRHJインターナショナル(RHJI、旧リップルウッド・ホールディングス)の下で再建に取り組んできた。
大型施設の場合、時間がたつほどメンテナンスなどの維持費がかかる。改装するには莫大な投資が必要だが、手を入れないとさらに価値が落ちてしまう。口蹄疫や鳥インフルエンザなどの影響で宮崎への観光客が激減してからは、業界内ではRHJIが売却を急ぎ、韓国企業に接近したなどのうわさがいくつも流れていた。
では、セガサミーがシーガイアを引き受けた狙いはどこにあったのか。具体的には明らかにしていないが、将来のカジノビジネスへの布石と見る向きが多い。カジノが解禁されたときに、パチンコやゲームセンターで培ったノウハウが生かせるからだ。そうなれば、58億円の買収費用も決して高くはない。
セガサミーは北海道ですでにゴルフ場を運営しており、手元流動性は1700億円に上る。今回のシーガイアを手始めに、レジャー施設の買収を加速させるのではないかとの観測も強まっている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)