実は、親交のあるニトリホールディングスの似鳥昭雄会長、ファーストリテイリングの柳井正社長兼会長も後継者育成に悩んでいるが、2人とも親族に会社は継がせないと宣言してはいながらも、それぞれの会社にお子さんが入社していた。私も、何が何でも息子に継がせたいわけではなかったが、まずは会社に入れてみるというのはありなのかもしれないと考えたのだ。

 要するに、入れてみて様子を見てみようというわけだが、正直、社員のみんなは反発するんじゃないかと心配したものだ。

 しかし、それは杞憂で、最初から意外に社内の人望を集めているので驚いた。考えてみれば元々、高校生、大学生の頃からダイソーで働いており、古くからの社員とも顔見知りで苦楽を共にした仲だ。十分、私の代わりをできると判断し、2018年3月から社長を任せることにした。

 もっとも、まだ余裕がないのか、私のように年がら年中、冗談を言って回ったり、パーティーグッズを持ち歩いて社員にちょっかいを出したりといったことはしてないようだが、根は私に似ているのだと思う。いずれ、素の顔を出してくるだろう。

 ただ、小売業界のことはよく知っている。何より、コンピュータに関するノウハウがあった。

 当社に入るなり、社内のITシステムを見て「こんな古いの使ってたらダメだ」と言い放った。イズミなんかから見たらもう時代遅れで、刀で大砲に向かっていくようなものなのだろう。結果、2019年までに数十億円かけて全部、システムを入れ替えることにした。自分だったら「もったいない」とか言って判断できなかったに違いない。